SNS、クラウドソーシング、フェイク・ニュース…今注目の若手作家が鋭い分析力と想像力で紡ぐ『名称未設定ファイル』

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公開日:2017/7/6

 Twitterのフォロワーが7万人を超える品田遊の2年ぶりの新作『名称未設定ファイル』が、2017年6月30日(金)に発売された。

 著者の品田は、人気サイト「オモコロ」を運営する株式会社バーグハンバーグバーグの社員であり、別名義の「ダ・ヴィンチ・恐山」としても『くーろんず』を著すなど、精力的に活動。平野啓一郎や伊坂幸太郎などを担当する名編集者・佐渡島庸平も注目し、期待を寄せる作家のひとりだ。

 2年ぶりの新作となる同書では、SNSやクラウドソーシング、人工知能、フェイク・ニュースや管理・監視社会、電脳世界など現実のリアルな事象をモチーフにした話から近未来、超未来を舞台にした物語までを収録。SF、ブラックジョーク、パスティーシュ(模倣)など、様々なジャンルを横断するディストピア短編集となっている。

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 紙の本ならではの試みとして、第17話「クラムゲートの封は切られる」では、タイトルの通り後半16ページが「袋とじ」仕様に。読者が切るという能動的な行為を行うことによって、話の様相が変わっていくという仕掛けだ。

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 表紙の8bitイラストは、たかくらかずきの手によるもので、ブックデザインを務めるのは最果タヒの著書を多く手掛けるデザイナー・佐々木俊。注目を集める若手作家が鋭い分析力と想像力で紡いだ17篇を見逃さないでほしい。

※掲載内容は変更になる場合があります。