筋トレで約40kg減!“マッチョ社長”の体形を一生キープする「超シンプルな食事法」は巷のダイエットと何が違う?

ダイエット

更新日:2017/7/24

『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』(Testosterone/KADOKAWA)

 「○○するだけダイエット!」「○日間ダイエット!」など、巷には様々なダイエット法があふれている。個人的な意見としては、この手の9割は胡散臭いものではないかと勘ぐっている。しかし体形や健康面で悩む方々からすれば、わらにもすがる思いでダイエット本やダイエット商品に手を伸ばすのだろう。そのためダイエット関連ビジネスは注目を集め続け、その度に消費者たちは騙され続けていく。あまりにタチの悪いビジネスだ。この悪い流れを断ち切るため、今回は満を持して、本物のダイエット本をご紹介したい。それが『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』(Testosterone/KADOKAWA)だ。

 著者であるTestosterone氏は、とあるアジアの大都市で社長として働いているエリートビジネスマンだ。学生時代は110kgに達する肥満体形だったが、アメリカ留学中に筋トレと出会い、40kg近いダイエットに成功した過去がある。現在はエリートビジネスマンとして働きつつ、筋トレと正しい栄養学の普及をライフワークとしている。独自の哲学的筋トレ論をツイートし続けるTestosterone氏のTwitterのフォロワー数は20万人に達した。これは期待が持てそうだ。

 では、Testosterone氏は本書でどんなダイエット法を紹介してくれているのか。それはズバリ……本物の知識を身につけた最強の食べ方「マクロ管理法」と呼ばれる食事メソッドだ。これは、その人の性別・身長・体重・年齢、そして3段階に分けた活動量から算出した1日に摂取すべき総カロリーと、そこから導かれたマクロバランスに沿って食べるだけという超シンプルな食事法だ。その方法をご紹介しよう。

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(1) 性別・身長・体重・年齢をもとに基礎代謝を割り出す

(2) 1日の活動量を考慮し、(1)をもとに1日の消費カロリーを割り出す

(3) (2)をもとに、その人の目的(減量・維持・増量)に合わせて1日で摂取すべき総カロリーを割り出す

(4) 1日の総カロリーから、各マクロ栄養素を毎日何gずつ摂取すればいいかを割り出す

(5) あとは(4)の通りに、食品を選びながら食事をしていくだけ

 以上だ。このマクロ管理法に従い、食事をしていくだけでダイエットすることができる。

 しかし、なぜTestosterone氏はマクロ管理法を猛プッシュしているのだろうか。それは、巷のダイエット法の大半は「健康的ではない」ダイエット法であり、マクロ管理法は「健康的な」ダイエット法だからだ。本書では、Testosterone氏の哲学的な視点から独自のダイエット論が語られている。超要約した内容のごく一部を箇条書きでご紹介したい。

・カロリーだけを気にしていては健康的に痩せることができない。
・等価交換がこの世の原則。「楽に痩せるダイエット」は9割がインチキ。
・朝バナナダイエットのような「特定の食べ物に置き換えるダイエット」は、筋肉が落ちるダイエット。代謝が悪くなり、以前より太りやすく、痩せにくい体が出来上がる。いわゆる「スキニーファット」。リバウンドにつながる。
・「炭水化物抜きダイエット」は、炭水化物の多い日本食と相性が悪い。
・アメリカの格言「どれだけいい運動も、悪い食習慣は倒せない」。「運動をしている=ダイエットをしている」という考え方は安易。
・このマクロ栄養素が守られている限り、食べる順番・回数・食材などは一切気にする必要はない。
・マクロ管理法はカロリーだけでなく、マクロ栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)も管理しているので、バランスに偏りが起きにくく、健康的に痩せることができる。
・マクロ管理法は一生モノ。ダイエット後は、体重維持として再び食事を管理できる。ひいては、体形や体重を一生管理できる。

 Testosterone氏によると、マクロ管理法はアメリカで常識になりつつあるダイエット法だ。さらに本書では、ワンランク上の食べ方の知識が紹介されていたり、目からウロコのダイエット哲学が書き記されていたり、ダイエットにお困りの方が手にして損しない1冊と言えるだろう。夏に向けて、今年こそ痩せようと考えている方は、ぜひ候補のひとつに入れてほしい。

文=いのうえゆきひろ

Testosterone氏Twitter:@badassceo