Hey! Say! JUMP有岡大貴、高木雄也、八乙女光出演『孤食ロボット』は、お節介なアンドロイドが巻き起こす優しい物語

マンガ

更新日:2017/7/3

『孤食ロボット 1』(岩岡ヒサエ/集英社)

 6月20日から日本テレビで始まった新深夜ドラマ「孤食ロボット」。Hey! Say! JUMPの有岡大貴、高木雄也、八乙女光の3名が主演となり、心もお腹もいっぱいになる温かいストーリーが展開され、ほっこりした視聴者が多かったはず。「えっ!? 見てない!」と、うっかり見逃してしまった方のため、原作である『孤食ロボット 1』(岩岡ヒサエ/集英社)をご紹介したい。

 ある日、デザイン会社に勤める30歳独身OL高木希巳(たかぎのぞみ)のもとに宅配便が届く。発送元は高木の行きつけの飲み屋。その飲み屋で貯まったポイントでプレゼントを贈ってもらったのだった。どんなプレゼントだろうかと期待せず開けてみると……中にはそこそこ大きなフィギュアが。無言でフィギュアを持ち上げ、「いらね」と投げ捨てた高木。しかし次の瞬間、フィギュアが「いらねとか言わないで下さい」と泣き出した。

 奇妙な格好をしたフィギュアは自己紹介を始めた。「ボクは○×フードカンパニーから派遣されました。お客様に合った外食やご家庭での食事を案内するアンドロイドです。お試し期間は1週間」。ここまで話を聞いて、返品の決意を固めた高木。しかし返品をすると、このアンドロイドのデータが消去されてしまうことを知り、ちょっぴり不憫に思った高木は1週間だけ引き取ることにしたのだった。

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 昨今増えつつある「おひとり様」。ひとりカラオケ、ひとり焼肉、ひとりゴルフ。ブラウザの検索バーに「ひとり」と打ち込んでみると、予測変換の候補として「ひとり贅沢」なるワードまで出てきた。私自身も「ひとり」が好きだし、そういった空間があることは嬉しいことだが、やっぱり本音を言うと、「なんだか寂しい」と感じてしまうときもある。「ひとりもいいけど、誰かと一緒に何かを楽しみたい」というのが、私だけじゃない、世間の本音ではないだろうか。本作品は、そんな「おひとり様」に焦点を当て、ひとり暮らしをおくる登場人物と、ちょっとだけお節介なアンドロイドが巻き起こす優しい物語を描いている。

 さて、気になるのは、高木希巳とアンドロイドの2人。関係が上手くいっている……わけもなく、職場にまでついてくるアンドロイドに高木はイラッとしていた。さらに、高木は隣に座る同僚男性が少し気になっていた。ある仕事終わり、2人で飲みに行ったのだが、同僚が料理上手と知り、料理下手な高木は勝手に「脈がなさそうだ」とひがんでしまった。その上、翌日に体調不良で寝込む始末。その様子を見てアンドロイドは、布団の中で弱気になっていた高木のもとに白湯を運ぶ。そしてこう言った。

「よかったら料理教えます。ボクもいっぱい失敗したんで恥ずかしくないですよ。失敗する人の気持ち分かるんです」

 この言葉に心を開いた高木は、もう少しだけアンドロイドと一緒にいることにした。

 本作品ではこの他にも「寂しさを感じている単身赴任のお父さん」「素直になれない若手社員」「妻に出ていかれたおじさん」など、それぞれのおひとり様ドラマが描かれている。高木とアンドロイドの関係、高木の恋の行方も気になるところ。現在コミックスは4巻まで発売中。

文=いのうえゆきひろ