【ダ・ヴィンチ2017年8月号】「川原泉」特集番外編

特集番外編1

2017/7/6

【ダ・ヴィンチ2017年8月号】「川原泉」特集番外編

編集S.K

 

 川原泉作品との出会いは、ワタクシが中学生だった頃、友人と書店でマンガの物色をしていたときに偶然コミックスを手にとり……そこから転がるように川原作品を読みまくり、40代のいまに至ります。多感な年代に川原作品を読んだことで、どれだけ救われたことか……、読者の皆さまにとってまったくいらない告白ですが、一番好きなマンガ家さんなんです!! そんなマンガ家さんの特集ができるなんて……ダ・ヴィンチで編集していてよかった(笑)! 

 そして私に負けず劣らず川原愛にあふれたライターさんとともに鹿児島にある川原先生のお仕事場まで取材に伺いました。川原泉さま、白泉社の担当さま、その節は大変お世話になりました。こちらはぜひ本誌のロングインタビューを読んでいただきたいのですが、川原先生は、マンガに出てくるカーラ君そのものでした(歓喜)! お怪我のため、髪はロングヘアではなくなっていましたが(『バーナム効果であるあるがある』の巻末描き下ろしマンガに詳細あります)、ニューヘアもお似合いでしたよ~。そして川原先生が海外ドラマ好きということが発覚し(ライターさんと私も海外ドラマにハマり中)、しばし海外ドラマ話で盛り上がりました。

 今回の鹿児島取材では、せっかくなので「愚者の楽園」の舞台となった指宿(いぶすき)まで足をのばし、本当に市役所ではアロハシャツを着ているのか? 指宿の植物農園では温泉の地熱を活用しているのか? などいろいろ取材してきましたので、そちらもぜひお楽しみに!

 
 

編集Y・S

 本特集では読者の皆様にアンケートにお答えいただきました。いやあ、すごかったです。愛が、想いがあふれてきて。川原作品はこんなにも人の人生を変えてしまうのかとクラクラしました。

 そんな川原作品の凄みを因数分解してほしくて、文芸・映画評論家の中条省平さんに「川原泉作品の凄みってなんですか!?」と聞きにいったところ、中条さんは「心の傷やトラウマに拘泥しない、風通しのいいニヒリズム」だと仰っいました。
あまりにも良いインタビューなので、少し抜粋させてください。

「(川原泉作品において)欠損家庭の話は挙げていくとすごい数になりますよね。ただ川原さんは、それをセンチメンタルなドラマの起源にはけっしてしない。人がいなくなることは悲しいけど、いなくなったらいなくなったところで生きていくしかない、ということを絶対的に言い切っているんです【中略】僕はそこに風通しのいいニヒリズムを感じるんです。人はいつか死ぬし、絶望に襲われる可能性を常に持っている、それは仕方ないことなのだと。それを引き受ける、絶望を直視するニヒリズムというものが彼女のなかにはあると思うんです」

 …続きは本誌でお楽しみください。
子ども時代もおとなになっても、悲しいことはたくさんありますが、川原作品を読めばなんとかやっていける気がするのは、こんな理由なのかもしれません。
とりあえず、直近で悲しいことがあったら、待望の新刊2冊を読んでがんばっていきましょう!