「望外」「僥倖」使いこなせる? 藤井四段に負けない「大人の語彙力」の身につけ方

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公開日:2017/7/12

 知性を感じさせる「大人の語彙力」を身につけるための『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』が、2017年7月10日(月)に発売された。

 将棋界のニューヒーロー・藤井聡太四段は、将棋の実力もさることながら、「望外」「僥倖」などの語彙を使いこなし、中学生とは思えない言葉遣いにも注目が集まっている。一方で、社会人になっても「使っている言葉が幼い」「言葉の使い方を間違っている」「表現力が足りなくてうまく伝わらない」など、語彙力に関する悩みを抱えている人も少なくない。

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 いい大人なのに「マジで!?」「超かわいい!」なんて言葉ばかりを使っている人が品性や知性を感じさせるのはなかなか難しいもの。同書では、ただ語彙を紹介するのではなく、「言葉の語源や由来」「ニュアンス」「例文」「どういった状況なら使えるか」「類似の表現とは何が違うか」などをかみ砕いて解説。話し方ひとつで印象を変える「大人の語彙」を適切な文脈で使いこなすことを目的にしている。

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 同書では、「仕事がなめらかに進む挨拶の定番表現」「さりげなく人を立てる表現」「反省を真摯に訴える表現」「文章・メールでよく使われる表現」などシーンごとに章立て。その中で、使いやすいか使いにくいかの難易度を5段階で評価し、「使える順」に配列している。「日頃の会話に取り入れやすい語彙から少し堅い語彙」という流れで読めるので、自分のレベルやペースに合わせて覚えていくことが可能。

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「つまらないものですが」は「心ばかりの品ですが」、「お読みください」は「ご笑覧ください」、「あれこれ心配させてしまい」は「気を揉ませてしまい」、「自分が参加するのは恐れ多い」は「末席を汚しております」、「自分の知識、見聞が少ない」は「寡聞にして」といったように、実例付きの200の言葉が印象アップを助けてくれる。さりげない上品な言葉遣いは、知性を醸し出すためだけでなく、相手に不快な思いをさせないための気遣いにもつながっている。自分の気持ちを上手に表現し、大人の会話を手に入れよう。

吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
国語講師。三重県出身。公立高校から、塾や予備校を利用せずに東京大学文科Ⅲ類に現役合格。教養学部超域文化科学科を首席で卒業後、学習塾や私立高校などで講師の経験を積み、現在は大学受験塾の教壇に立つ。また、カルチャースクールや公民館で古典入門、文章の書き方講座などを担当し、6歳から90歳まで幅広い世代から支持されている。たとえ話や笑いを交えた、わかりやすく納得できる教え方が好評で、栄光ゼミナールの授業コンテストで全国優勝した経験を持つ。『源氏物語』『百人一首』をはじめ、古典・近代文学・歌舞伎などの教養に裏打ちされた日本語の見識を活かして、社会人女性向けの敬語講座、書籍の執筆にも取り組む。NHKEテレ「Rの法則」に敬語講師として出演するなど、テレビや雑誌でも幅広く活躍中。著書(監修を含む)に『美しい女性をつくる 言葉のお作法』や、『正しい日本語の使い方』、『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』、『語彙力強化ドリル300』など多数。

※掲載内容は変更になる場合があります。