【結婚・離婚の幸福論】松居一代の気持ちがわからなくもない…「ぶちまけたい妻たち」3つの共通点

暮らし

公開日:2017/7/16


 女優の松居一代さんと俳優の船越英一郎さんの一連の騒動の話題は、離婚相談に訪れる人たちの間でも賛否両論、その反響の大きさに私自身も驚いています。

 そもそも船越さんと松居さんは、テレビでの共演をきっかけに交際をスタート、結婚したのは2001年のことでした。初婚の船越さんと、バツイチ&子連れの松居さんは、お互いに40代になってからの“大人婚”。若い頃に勢いで結婚を決めるのとは異なり、酸いも甘いも嚙み分けた大人同士の結婚だったのでしょう。

 それからは、年下の優しい夫を仕事面でも家庭でも献身的に支える妻という、いわゆる「おしどり夫婦」として知られていましたが、15年以上の結婚生活を経た今になって、このような大きな騒動になってしまった、ということになります。

advertisement

 夫婦間でなんらかのトラブルが生じたために、私のところに訪れる相談者のみなさんの中には、「松居さんの気持ちもわからなくない」と共感する女性たちも少なくありません。彼女たちいわく、「その後の損得を考えるよりも前に、とにかく言いたいことをすべてぶちまけてしまいたくなることがある」とのこと。一方的な放言が必ずしもいいことではないとわかっていても、不満や怒りなどの気持ちが爆発してしまって、感情を言葉にしてぶちまけたくなる、というのです。

そんな「ぶちまけたい妻たち」に共通して言えるのは、次の3つです。

■その1:「自分は正しい」と信じている

 ぶちまけたい妻たちのなかには、「私は正しいことをしている」と信じている人たちも少なくありません。「夫が100%悪いのだから、こうなっても仕方がない」と思っているからこそ、自分が正直にすべてをぶちまける行為が正しいと信じています。悪いのは夫のほうであって、妻の自分は被害者だと信じて疑わないのです。

■その2:「今まで家族のために頑張ってきた」という思いが強い

 ぶちまけたい妻たちは、「私は今までずっと夫や子どもたちのために頑張ってきた」と強く思っています。家事や育児など、日常生活で負担を強いられてきたために、自由になる時間もお金も思い通りに使えなかった。自分が我慢をしてきたからこそ、夫も仕事に集中でき、子育てもやってこられた。そんなふうに、ずっと犠牲になってきたという思いがあるために、長年の不満が蓄積されているのです。

■その3:「自分の存在のありがたみを理解させたい」と願っている

 ぶちまけたい妻たちは、自分の存在を認めてほしい、もっと自分に感謝してほしい、と思っています。夫の仕事がうまくいっているのも、子どもが成長できたのも、妻の私が努力をしてきたから。それなのに、愛されているという実感が持てないどころか、感謝もされず、報われない。女性としてのプライドも傷つけられて、「こうなったら、ぶちまけるしかない」という感情が起こってしまうのです。

 幸か不幸か、最近はSNSをはじめ、自分の情報を発信する機会がたくさんあります。それは、「ぶちまけたい!」と思ったとき、すぐに行動に移すことができる、ということでもあります。もちろん、自分のなかにたまっている感情をぶちまけることで、問題が解決できるならいいことですが、ぶちまけることで次の大きな問題を生むことも少なくありません。

 すべてをぶちまける前に、できることはたくさんあるはずです。いちばん大切なのは、自分が幸せな気持ちで毎日を過ごすことができること。そのための選択肢は「すべてをぶちまける」ということとは限らないのです。

文=citrus All About「離婚」ガイド 岡野 あつこ