リアル過ぎる江戸の性事情――インテリの赤裸々な性愛記録日記、遊女のその後…

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更新日:2017/8/29

 リアル過ぎる江戸の性を極限開示! 飽くなき性愛への欲求にふける、萌える男とうずく女の夜話75話を綴った『性なる江戸の秘め談義』が2017年7月7日(金)に発売された。

 世界も認める春画の傑作が数多創作された江戸時代。葛飾北斎の「蛸と海女」や土佐光信 の「四十八番春画」など春画の傑作を見れば、我が祖先たちの性愛の奔放さが想起される。と同時に、「それでは実のところの江戸の性の事情とは?」とおおいに興味がわくはず。

 江戸と明治、庶民から殿様まで、恋と情事と結婚の風景をおさめた姓なる随筆。インテリの過激な色事日記から妻たちの不義密通、廓に通う美熟女の楽しみ、武士が男色を好んだ理由など、同書はそんな好奇心にしっかりとこたえてくれるだろう。

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江戸の名門武士が残した赤裸々な色事日記
「―他人がのぞき見ても、とりあえず誰だかわからないように『三本』『四本』と暗号化された二人の女性。通常の日記には書けない内容を記したこのマル秘日記には、はたして彼女たちの生々しい姿が記録されている。たとえば正月二十八日の日記をひらくと…。」

 この筆はペリー来航の1853年に書かれた個人日記で、作成者は名門だが没落した武家の継嗣。あまりに赤裸々な160年前の記録は、江戸の性のリアルを教えてくれる資料として、読者の興味をおおいに満足させてくれる。

遊女と地女
「女郎さま」と交われば「よく五臓を養ふ」(健康を増進する)が、地女は「しつねつ(湿熱)」が深いので男の健康を害するとも。とにかく遊女(女郎さま)が素人の女性よりずっとすぐれているというのが、文武ばかりか諸芸に通じた稀有の秀才、柳沢淇園の持論だった。

弁天様の閨の素晴らしさ
また、江戸時代には弁財天に恋情した男がいたという一節もある。
「―弁財天は、閨の中では人間の女以上にこまやかな情で接した。となれば男が魂を抜かれないはずはない。男は信仰を超えて弁財天の身体に耽溺し、その夜の甘美な交わりが忘れられなくなった…。」

 この後、執拗に「もう一度」と願う男に弁財天はどうこたえるのか。江戸の神仏は現代よりはるかに身近な存在。大筋はフィクションではない、というから余計に好奇心がそそられる。

 同書には他にも、遊女が語る性の本音、妻たちの不義密通、武士が男色を好んだ理由など、江戸から明治にかけて我が祖先たちが性愛の欲求に耽溺する姿をおさめた夜話75話を収録。ぜひご堪能あれ。

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