「成功する人」はネガティブ? スティーブ・ジョブズも松下幸之助もイチローも心配性だった!

ビジネス

更新日:2017/9/11

『成功する人は心配性』(菅原道仁/かんき出版)

「成功する人はポジティブな人」というイメージを持っていないだろうか? 実は、松下幸之助、スティーブ・ジョブズ、イチローも心配性だったという。「不安」を「行動力」に変えて、結果を手に入れるためのテクニックを教えてくれる『成功する人は心配性』(菅原道仁/かんき出版)。

 著者の菅原道仁氏は、人生の目標を達成するための医療を目指す脳外科医である。心配性をネガティブな性格だと捉えている人は、人生損しているかもしれない。さあ心配性を武器に、一歩踏み出してみよう。

■不安の正体は「未来への準備を促すアラーム」

「心配性の人はIQが高く、クリエイティブ」という研究結果があるそうだ。実は「空気を読む」という文化のある日本人には心配性が多いという。失礼はなかったか、気分よく過ごせているかなど、相手の気持ちを深読みする癖がついているのだそう。想像力が豊かな心配症の人は、不安センサーの感度が高い。つまり優れたリスクマネジメント能力があるということだ。ポジティブだけの人は、前に踏み出す力がとても強いが、「考え抜く力」が不足しているという。まぐれで成果を上げることがあっても、リスクに対処できず成果を上げ続けることができないという弱点があるそう。

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■「心配性」の4人の著名人による名言

・アンドリュー・グローブ(インテル初代CEO)
「パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る」
・大塚実(大塚商会創業者)
「経営には病的なほど心配性であることが必要」
松下幸之助(パナソニック創業者)
「社長は心配するのが仕事だ」

 EXILEの元リーダーでLDHを経営するHIROも「心配性の性格が幸いして今の自分がある」と自己分析している。

■不安が強すぎてチャレンジの一歩が踏み出せないのは「考え方の癖」

 筆者は自他共に認める「心配性」。どんな場面でも、さまざまな不安点を導き出すのが得意(?)であるため、いつも娘に面倒くさがられて「それ心配して、どうにかなること?」と冷たく言われている。これは「性格」だと思っていたが「癖」だったのだ。

■「不安」は「思い込み」のフィルターが見せるもの

 本書では、踏み出せない人の「考え方の癖」や、不安をコントロールするコツ、不安を行動力に変えるコツを紹介。「LINE」のスタンプを利用して、「新たな視点を手に入れる」方法は斬新だ。また不安なときは、ネットやSNSで情報に触れないことが大事だそう。「気分一致効果」でより不安になるような情報が集まってくるという。

 不安になるのは「先読み」ができる証拠。リスクに気づいて不安を感じることは、生きるため、成功するために不可欠だ。著者が述べるように「心配性は有効な才能」なのだ! 心配性のままで、踏み出す力を持つことができれば最強のはず。人生は思っている以上に短い。後悔のないように進んでいこう。

文=泉ゆりこ