未経験者も初心者も、株で儲けたかったら「社長を選べ」とは?

ビジネス

公開日:2017/8/23

『難しいことは嫌いでズボラでも株で儲け続けるたった1つの方法』(藤本誠之/SBクリエイティブ)

 先だっての6月、日経平均株価が、およそ1年半ぶりに2万円台へと回復したニュースが流れた。まだ投資を迷っているような素人でも、実際に高値を目の当たりにすると「春先に買っておいたら今頃は…」とか「少額でも始めていれば」などと、都合のいい“たられば”が頭をよぎるのは、人の常。

 本書『難しいことは嫌いでズボラでも株で儲け続けるたった1つの方法』(藤本誠之/SBクリエイティブ)は、株の未経験者でもわかりやすい株の選び方や、さらに株の経験者にも役立つ株の売買タイミングなど「ラクして儲かる人」になるためのチェックポイントが、“今までにない方法”で絞り込まれている一冊だ。

 著者の藤本誠之氏は“相場の福の神”の愛称で親しまれている証券アナリスト。Yahoo!ファイナンス株価予想では、39連勝の快挙を達成している。現在もラジオNIKKEIでのレギュラー出演、All About株式ガイドとしても活躍中の人物である。

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 最初に、藤本氏の銀行預金に対する見解を紹介しておきたい。「投資は怖いから、お金は全部銀行預金にしています」という人がよくいますが、あなたは、「日本円で一点買い」の投資をしていますよ、という状態です。(中略)円だけで預金するのは、見た目が減らないように見えるので、すごく安全な気分になります。でも、ここが落とし穴。デフレが長いから鈍感になっていますが、国際的に円安になったら目減りするわけです。銀行預金が「ほぼゼロ金利」のこの時代。日本円だけの預金も「リスクを生むことだって大いにあり得る」と警告する。

 さて、“日本円と政治家を信じ切る”のか? それとも“企業経営者”を信じてみるか? 生き残りを真剣に考えているのがどちらなのかを理解すれば、おのずと後者に希望を見つけるだろう。未来を見越しての分散投資の大切さを説く。

大きな夢を持ちつつも、小さな約束もしっかり守る社長がおすすめ!

 そう、企業経営者…今までにない株式投資の方法とはズバリ「株は社長で選べ」なのである。会社の規模などいろいろ条件はあるのだが、まずはこちら。オススメ社長の第一条件は、大きな夢を持ちつつも、小さな約束もコツコツとしっかり守ること。この2つが同時にできる社長でないといけません。

 さらに「社会貢献の意欲が強い社長」「ニッチな市場を獲得していることも決め手」なども条件にあがるそうだ。そんな社長をどうやって見つけるのか? その見極め方も、本書は明らかにしていく。

 また、本文では、初心者用に株価チャートの基本中の基本、ローソク足について非常に丁寧な解説がされている。心得がないと、とっつきにくいチャートのひとつかもしれないが、売買のタイミングや株価予測のためにも、これを機会に習得しておきたい。

 なお、第5章の「迷ったらコレを買え!“大推薦銘柄・ベスト20”」で取り上げられている企業は、著者が実際に出向き、丹念に取材された「会社四季報にも載っていない」本書だけの特典といってもいいだろう。会社の業種も多岐にわたり、投資先としてだけではなく、新しいビジネスモデルのヒントとしても興味深い。ただし、運用は“自身の判断、自己責任で行うこと”を、くれぐれもお忘れなく。

文=小林みさえ