「受刑者は日々、何をしている?」「性処理はどうする?」──刑務官が明かす、知られざる刑務所の内情

社会

更新日:2020/5/11

『刑務官が明かす刑務所の絶対言ってはいけない話』(一之瀬はち/竹書房)

 口論での「ゴメンで済めば警察はいらない!」というセリフはもはや常套句だが、現実としては対立しても「ゴメン」で済む場合が多く、警察の出る幕はないだろう。ゆえに警察に逮捕され刑務所に入れられるなどということは、普通に生活していれば基本的に縁遠い話である。当然ながら刑務所の実態はさほど知られておらず「受刑者は日々、何をしているのか」など、疑問を持つ向きもあるのでは。そういった刑務所の実情を『刑務官が明かす刑務所の絶対言ってはいけない話』(一之瀬はち/竹書房)では、現役の刑務官(受刑者の管理をする人)が教えてくれる。

 本書は作者・一之瀬はち氏が刑務官の「ムロさん」に話を聞くという体裁で刑務所の内情を描くコミックエッセイ。まずは簡単に服役するまでの一連の流れを説明すると、逮捕されると最初に警察署の「留置所」に入れられ、取り調べのあと検察に送られる。その後、取り調べが終わったら裁判が始まり、身柄は刑務所内にある「拘置所」もしくは「拘置区」に移される。そして裁判後、罪が確定すれば「受刑者」となり刑務所に入ることとなるのだ。

 では刑務所では、一体どんな生活が待っているのか。それは主に「刑務作業」と呼ばれる仕事をすることである。作業も封筒作りから家具製作まで多岐にわたり、なんと国家資格まで取得が可能だという。例えば美容師の資格を取得すれば、刑務所内にある床屋で働くこともできるのだ。作業は適性や素行状況などによって振り分けられるが、中には特殊なケースも。ある受刑者はあまりに不器用で、どんな作業につけても失敗ばかり。そこで彼に与えられたのは「1日中、ただ紙をちぎるという仕事」であった。それで3年の刑期を全うしたというのだから、恐れ入る。

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