部下がいきなり辞める「ビックリ退職」を防ぐには?

ビジネス

更新日:2017/9/15

 優秀な部下がいきなり辞めてしまう「ビックリ退職」を防ぐ方法を紹介した、『シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―』が2017年9月11日(月)に発売された。

 世界で最も人材の競争や成長が著しいといわれている、米国・シリコンバレーでは人材が宝。優秀なエンジニア1人で会社の命運が変わることもあるそうだ。しかし、生き馬の目を抜くような世界のため、会社に得るものがなくなれば優秀な人材はすぐ他社に流れていってしまう。

 そんなシリコンバレーは、上司と部下がミーティングする“1on1”発祥の地でもある。多くの企業で上司と部下が週に1回、30分~1時間程度「必ず」1対1の面談を行う。そして、自由に話し合うことで、上司が部下の考えや今の状態を把握して関係構築を図るなど、1on1はマネジャーの重要な役割になっている。

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 今の日本で必要とされているのは、このシリコンバレー式のマネジメント手法。なぜなら、個人の働き方に対する考え方や環境が以前に比べて激変しているから。年2回の評価面談や「○○君、ちょっといい?」で始まる面談だけでは、社内で起こる様々な問題に対応できなくなってきているという。

 同書では、「働きがいのある会社」3年連続1位に輝いた企業にいた過去をもつ著者・世古詞一が、コンサルティング経験をメソッド化した1on1ミーティングの手法を紹介する。

必要なのは「仕事の話」ではなく「個人に焦点を当てた対話」

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 1on1の重要性はわかっていても苦手意識を持っていたり、「何を話せばいいかわからない」という人や、「すでに十分、部下とは話し合っている」という人もいるかもしれない。しかし1on1で必要なのは、業務に焦点を当てた「仕事の話」ではなく、社員の今と未来を考える「個人に焦点を当てた対話」。日本の企業は、圧倒的に「個人に焦点を当てた対話」の時間が足りていないという。

 同書では、1on1の意義や全体像がひと目でわかるように「話し合う7つのテーマ」のマップを用意。「信頼関係づくりステージ」と「成長支援ステージ」の大きく2つに分けて解説していく。そして、実際の1on1の流れを1から詳しくレクチャー。NG会話例とOK会話例を比較し、話し方や会話の持って行き方などをわかりやすく説明する。

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 また、自己診断テストやチェックリストなども盛りだくさん。巻末には、1on1ミーティングの質問・伝え方例の一覧も用意されている。

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「部下がなかなか育たない」「安心して任せていた優秀な部下が辞めてしまう」「ちょっと厳しくするとすぐメンタルに支障が出る部下がいる」「言われたことしかやらない部下ばかり。自分で考えて動かない」「最近、チーム全体に活気がない」…。こんな悩みを解決できる“1on1の手法”を取り入れてみてはいかが?

世古詞一(せこ・のりかず)
1973年生まれ。千葉県出身。組織人事コンサルタント。月1回30分の1on1ミーティングで組織変革を行う1on1マネジメントのプロフェッショナル。早稲田大学政治経済学部卒。株式会社サーバントコーチ代表取締役。株式会社VOYAGE GROUPフェロー。Great Place to WorkRInstitute Japanによる「働きがいのある会社」2015、2016、2017中規模部門第1位の株式会社VOYAGE GROUPの創業期より参画。営業本部長、人事本部長、子会社役員を務め2008年独立。コーチング、エニアグラム、NLP、MBTI、EQ、ポジティブ心理学、マインドフルネス、催眠療法など、10以上の心理メソッドのマスタリー。個人の意識変革から、組織全体の改革までのサポートを行う。クライアントは、一部上場企業から五輪・プロ野球選手など一流アスリートまでと幅広く、コーチ・コンサルタントとして様々な人の人生とキャリアの充実、目標実現をサポートしている。

※掲載内容は変更になる場合があります。