『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』――第1章 叶わなかった初恋 ~ほろ苦いSNSとの出会い~

エンタメ

公開日:2017/9/15

●何よりも、SNSを愛そう!


私は現在23歳。物心ついたときから、「SNSがある生活」が普通でした。
中学1年生で携帯を持ち、初めてのSNSは「モバゲー」。18歳でツイッターを始め、スマホが登場してからは、使い勝手のいいアプリができたことで、さらにSNSを使う機会が増えました。
「体の半分がスマホでできている」「SNSが恋人」と言っても過言ではないと思います。
朝起きたら、まずSNSをチェック。出かける前にメイクして準備して、移動中もSNS。その後も少々行儀が悪いですが、ご飯を食べながらSNS。帰宅中もSNS。そしてもちろんベッドに入ってもSNS。こんな感じで、一日中SNSに触れています。

SNSに関して、私が他の誰よりも自信を持っていることがあります。
それは、「私が誰よりもSNSが好きだ!」という想い。
何を言っているんだと笑われそうですが、大真面目です。発信するだけでなく、フォロワーのみんなと交流すること、他の人のアカウントを見ること、全てが大好き。
そして、SNSも私を愛してくれていると実感しています。
言わば、私はSNSと相思相愛の恋人同士。
この「好き」という気持ちこそ、私の夢を叶える大きな原動力になりました。

でも、最初から「大好き」と胸を張って言えたわけではありません。
それどころか、私にとって最初の頃のSNSは苦い思い出ばかり……。「叶わない初恋」のようなものでした。

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●負の感情で投稿して学んだこと

私の”ゆうこす”としてのSNSデビューはYouTube。
残念ながら、前向きな気持ちで始めたものではありませんでした。

きっかけは、2012年8月にHKT48というアイドルグループを脱退したこと。
ある日、実家でテレビをボーッと見ていたら、突然私のニュースが流れました。内容はファンと交際し、ファンの家に泊まって未成年なのに飲酒・喫煙をした、というもの。
「え!?」
完璧に寝耳に水だった私と両親は、ものすごく驚きました。全く身に覚えがないことが“事実”として放送されてしまったのです。
とりあえず、どうしてそんな嘘を放送したのか、両親がニュースを放送したテレビ局に電話しました。
「事実と違うのですが、どこでそんな情報を知ったんですか?」
すると、
「Yahoo!知恵袋に書いてあったので……」
という返答が。
これには衝撃を受けました。私に事実確認することもなく、どんな人が書いたかも分からないネット上の曖昧な情報を、そのままニュースにしてしまうんだ……。
雑誌やネットニュースにも同様の記事が出ました。一度メディアを通して発信されると、びっくりするほど早く拡散されます。噂が噂を呼び、ネット上には私を攻撃する書き込みが溢れていました。
抗議の電話をしたテレビ局は、翌日のニュースで、一応の訂正と謝罪をしてくれましたが、あまり意味はありませんでした。すでにネットでは謝罪よりもデマの方が拡散されてしまっていて、みんなそっちの方が真実だと信じてしまう。これはネットの怖い部分です。
私はそれがものすごく悔しかったし、悲しかった。大好きな両親や幼かった弟や妹にも、とても嫌な思いをさせてしまいました。

メディアで報道されていることは事実ではないのに、みんなが信じるのはメディアの情報。どんなに「事実は違うんだよ!」と言いたくても、芸能界を引退して一般人になった私には、否定する場所さえありませんでした。
みんなに誤解された悲しさ。間違った情報を流したメディアへの怒り。それを信じられてしまった悔しさ。
負の感情ばかりが溢れてきて、私はさらに追いつめられていきました。
なんとか誤解を解きたい……!
そんなことを必死に考えて思いついたのが、YouTubeに動画を投稿することでした。
動画なら、自分の言葉で、自分の本当の気持ちを伝えられるかもしれない。
当時の私には“SNSしかなかった”のです。

自宅でカメラの前に座り、今まで応援してくれたファンの方への謝罪と感謝、そして真実を話しました。今後は料理の道に進みたいと思っていることも話し、ツイッターで発信していくので見てください、とツイッターのアカウントも発表しました。
藁にもすがる思いで父のYouTubeアカウントにアップしたこの動画は、1ヶ月でなんと約400万PVを記録(この頃は精神的にまいっていて、自分では見ていなかったので、後から人に聞いて知りました)。ツイッターは1日で2万人以上にフォローされ、その後6万人にまでフォロワーが増えました。
当時、辞めることを公言したり、ましてや動画をアップするようなアイドルはいなかったので、すごく話題になったんです。それで、みんな興味本位にフォローしたのだと思います。
あまりの反響の大きさに自分でもびっくりしたのですが、ここで増えたフォロワーはほとんど全員がアンチか野次馬のような人たち。
今思うと、私が悔しさや怒りという“負の気持ち”で動画をアップしてしまったのが原因でした。
ネット上で誰かを叩(たた)きたい人にとっては格好のターゲットになってしまい、本心を伝えられるどころか、火に油を注ぐ事態となってしまったのです。
ここから、私とアンチとの長い戦いが始まります。

>>怒りや悲しみ、ネガティブな発信はしない。人はポジティブなものに惹かれる。