雨宮まみオススメ ベストAV本5冊

更新日:2013/8/14

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AVライターとして活躍する、雨宮まみさんにAV業界の奥深さ、魅力が描かれたAV本のベスト5冊をあげてもらったラコ~。雨宮さんご自身がAV業界に魅了されたきっかけになった本も紹介してもらったラコよ。人々を魅了し続けるAV業界、そのめくるめく裏側を本を通してお勉強ラコ!
 

雨宮まみ
主にエロ・AVというジャンルを中心に執筆中のライター。AVとそれにまつわる性欲、女の自意識問題に関心が深く、昨年自らがAVに興味を持ちエロライターになるに至った経緯を書いた自伝的エッセイ『女子をこじらせて』(ポット出版)を上梓した。
ツイッター:@mamiamamiya
 

 
雨宮まみがススめる
ベストAV本5冊

  
  

大勢の若者をAV業界に引きずりこんだ名著
 

 

1位紙『アダルトビデオジェネレーション』東良美季

(メディアワークス)※現在絶版で、一部内容をカット&加筆した『AV黄金列伝』(文庫ぎんが堂)が発売されている
自分が体験し得なかった時代とその場所の熱気をまるごと読んだような気にさせられる、男優、女優、監督へのインタビュー集。内容が改訂された文庫版も良いが「別の時代へのトリップ感」が圧倒的なのはやはりメディアワークス版だ。読んでいると筆者の熱量がこちら側にまで伝染して、気がついたらAVという得体の知れない怪物に魅入られていた、という体験に巻き込まれる。私を含め、大勢の若者をAV業界に引きずりこんだ名著。

  

AV史に残るスター村西の波乱万丈人生を綴った1冊
 

 

2位紙『AV時代』本橋信宏 

幻冬舎アウトロー文庫 800円
野球の歴史で外せないのが王や長嶋なら、AVの歴史で外せないスターは村西とおるだろう。「美しい、美しすぎる、美しすぎると言っても過言ではないだろう」の三段活用に始まる独特の言語センス、一世を風靡した黒木香とのタッグなど「村西伝説」と言える部分も最高に面白いが、逮捕、借金を繰り返し自らを賭け金にして人生というギャンブルに突っ込み続ける村西とおるの姿には、笑いののち戦慄が押し寄せてくる。

  

発見! 「AVの歴史」
 

 

3位紙『アダルトビデオ革命史』藤木TDC

幻冬舎新書 861円
『アダルトメディアランダムノート』『アダルトビデオ最尖端』など、AVというメディアを内部から観察しながら俯瞰して語れる、現在最も信頼できるAVの語り手である藤木TDC氏が、コンパクトにわかりやすく「AVの歴史」を教えてくれる。ほとんどの人にとって「漠然と知っているようで実は正確なことは何も知らない」AVの歴史と、世間の歴史とが線で結ばれ、密接なつながりが見えてくる、新鮮な発見に満ちた本。

  

AV本史上、もっとも危険なノンフィクション
 

 

4位 紙『セックス障害者たち』バクシーシ山下

幻冬舎アウトロー文庫 630円
AV監督でありながら、実は優れた書き手として知られるバクシーシ山下氏が、自らの監督作に登場する飲尿男優、ゲロ男優などについて淡々とした、まるで動物園の檻の中の動物でも見るかのような視点で笑い混じりに書いた一冊。「なんか面白いAVない~?」という人にはとりあえずコレ読んどけと言いたくなる本だが、ゲラゲラ笑って読んでいると、読後「自分もしょせん動物園の檻の中の一人……」という強烈なしっぺ返しを食らう。

  

名女優、森下くるみによる自伝
 

 

5位 紙『すべては「裸になる」から始まって』森下くるみ

講談社文庫 500円
世間から「どういう人たちなの?」と興味を持たれることの多い「AV女優」という存在。「どういう人たちなの?」と訊かれても、返す言葉はない。彼女たちは個人であって「AV女優」なんていう全体はないからだ。その「個人」の理由と実情を森下くるみが感情を抑えたニュートラルな筆致で書いた自伝。コミュニケーションが苦手、性的なことはもっと苦手な彼女が荒療治のようにAVに向かう「森下くるみの物語」が描かれている。

  

【まとめ】さすが、雨宮さん選の本だけあってどれもディープラコ。ぼくは森下くるみさんの本からお勉強してみるラコよ。 他にもベスト5を紹介して欲しいジャンルがあったら@bookrakoまでよろしくラコ!

(ぶっくらこ調べ)