売りたいなら恋をさせろ! これからのマーケティングに必須となる視点って?

ビジネス

公開日:2017/11/17

 コカ・コーラでマーケティングのトップを務めた著者の方法論を紹介する、『もうモノは売らない:「恋をさせる」マーケティングが人を動かす』が2017年10月6日(金)に発売された。

 コカ・コーラの米国本社で敏腕マーケティング・ディレクターとして、世界各地で結果を出してきた著者のハビエル・サンチェス・ラメラス。同氏が「本ではなくマニュアルだ」と断言する同書は、マーケティングに携わる全ての人のガイドブックになっている。著者は一貫して「消費者に恋をさせろ」と言う。以下は、コカ・コーラ社のマーケティング・ディレクターとして講演を行った際の発言だ。

私は飲料水ビジネスをしているのではないということです。(中略)私がしているのは、ブランドに恋をしてもらうことなのです。ブランドに恋をしている人が増えるほど、その価値は高まります。人々は感情にはより高い金額を払うからです。ブランドがなければ、それは単なる製品です。生活日用品には、人はその製品のコストしか払いませんハビエル・サンチェス・ラメラス

 念入りな市場調査を行なったにもかかわらず結果が全く振るわない。調査結果に応える商品に仕上げたはずなのになぜ…。マーケティングに携わる人なら誰しも苦い経験があるはず。同書には具体的な成功例だけでなく、失敗例の分析も収録されている。

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<具体的な事例の成功・失敗の分析>
・コカ・コーラは、なぜ味を変えないのか
・ラテンアメリカでコカ・コーラの売り上げを毎年10%アップさせた戦略
・洗浄能力を謳ったP&G社とくつろぐ女性のイメージを打ち出したアヤックス社。台所用洗剤のシェアを伸ばしたのは…。
・著者の青春時代の憧れだったリーバイスのジーンズをなぜ息子は欲しがらないのか。
・TVCMをやめたレッドブルが売り上げを伸ばしたのはなぜか ほか

 マーケティングの基礎・基本から、ウェブ広告とテレビ広告の効果比較算出方法やプライベートブランドへの対抗策までを紹介した同書。現在進行形のマーケティングに必要なアドバイスを受け取ろう。

ハビエル・サンチェス・ラメラス
IESEビジネス・スクールでMBAを取得後、マドリードでP&Gに入社し、アテネ、ブリュッセルで勤務。1996年にウィーンでコカ・コーラ社に入社し、その後スペインへ。2000年に北ヨーロッパのマーケティング・ディレクター兼バルト諸国スウェーデン支社長になる。2003年、アトランタに移りマーケティング担当副社長。2007年にはラテンアメリカの、2013年にはヨーロッパのマーケティングを統括する。彼のリーダーシップのもとでコカ・コーラは近年で最も象徴的なキャンペーンを展開した。カンヌ国際広告祭で24の賞を受賞し、コカ・コーラは2013年のアドバタイザー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされた。ラテンアメリカ広告祭エル・ソルで2000年代最優秀賞を獲得。2012年スーパーボウルでのCMは視聴者投票で最高の評価を得た。現在、ロンドンに拠点を置くトップライン・マーケティング・コンサルティング(Top Line Marketing Consulting)を創業し、CEOを務めている。

※掲載内容は変更になる場合があります。