『ストロベリーナイト』作者・誉田哲也 「最初に目指したのはマンガ家だった」

文芸・カルチャー

2012/2/7

子供の頃はマンガ家に憧れ、青春時代はプロのミュージシャンを目指していたという誉田哲也。30歳を機に小説家の道を選んだのも、やはり自分の内なる世界を表現する仕事をしたいという気持ちが強かったからだと言う。

累計160万部を突破する「姫川玲子」シリーズや「ジウ」シリーズといった警察小説から、「武士道」シリーズ等の青春小説まで、多彩なエンターテインメントを次々と生み出す誉田にその創作の原点を聞いた。
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実家が自営業だったので、僕は商売とはどういうものかというのを間近に見ながら成長しました。だから、物心ついた頃には「仕入れたものに利益を乗せて販売して利ざやを稼ぐ」という商売の基本が自然と頭に入っていた。そのせいかもしれないけど、子供の頃からなんとなく「僕がお金を稼ぐなら、普通の商売じゃなくて、自分の頭で生み出したもので稼ぎたい」と思っていました。

そんなわけで、僕が最初に目指したのはマンガ家でした。絵が得意で、イラストのようなものをよく描いてたんです。ところが、中学生になって所謂マンガというものを自分で描いてみて、これは無理だと悟った。当時はマンガの描き方なんてものは知らなくて、絵コンテを切るという知識もなく、いきなりコマ割りから始めたんですよ。そんなもの、うまくいくはずがない(笑)。とにかく、頭の中ではストーリーがどんどん広がっていくのに、手が全く追いつかない。それにトーン貼りとか背景処理とか細かいことも自分でやらなければいけないでしょう。こんな大変な作業を毎週何十ページもやる仕事なんてとてもできないと、さっさと見切りをつけてしまいました。今でも小説家より、マンガ家さんのほうが大変な仕事だと思っています。

(ダ・ヴィンチ2月号 特集「誉田哲也の描くヒロインが刺激的な理由」より)