岡田将生×木村文乃W主演で映画化! 伊藤くんと対面することで己の弱さや醜さを知る物語『伊藤くんA to E』

エンタメ

2017/12/8

『伊藤くん A to E』
柚木麻子(幻冬舎文庫)

 映画が始まって1分もしないうちに、確実に、岡田将生演じる伊藤くんに対して激烈な反応が引き起こされることだろう。「こいつ、うざい!」と。そうなればもう、術中にハマったも同然だ。いつか天罰が下されることを乞い願い、映画をじっと見つめ続けざるを得なくなる。廣木隆一監督の『伊藤くんA to E』。原作は、柚木麻子の同名小説だ。

 物語の中心にいるのは、フリーターをしながら脚本家の夢を追う、イケメンだが自意識過剰で女性の扱いに慣れていない(それゆえ心の奥底では女性を怖がっている)、伊藤誠二郎28歳だ。小説版は伊藤くんに振り回される5人の女を、彼女たちの視点から描く一話完結型の連作形式だった。映画版は元人気脚本家の矢崎莉桜(木村文乃)を狂言回しに立て、他の女達の被害をヒアリングする状況設定を施した。その結果あらわになったのは、この物語の真髄は、伊藤くんと対面することで己の弱さや醜さを知る女達にあるということ。伊藤くんは、主人公ではなかった。伊藤くんは、鏡なのだ。彼女たちにとっても、彼を見つめる、観客自身にとっても。

文=吉田大助

『伊藤くん A to E』
原作:柚木麻子(幻冬舎文庫) 監督:廣木隆一 出演:岡田将生、木村文乃、佐々木 希、志田未来、池田エライザ、夏帆 配給:ショウゲート 1月12日より全国公開
(c)「伊藤くん A to E」製作委員会