日本人は家事のしすぎ! 憧れの「完璧家事」「手づくり」が家庭を壊す理由とは?

暮らし

公開日:2017/12/4

 気楽で苦しくない“家事とのつきあい方”を提案する『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』が、2017年11月16日(木)に発売された。

 “丁寧な暮らし”や“家事をきちんとこなす”こと、“配慮の行き届いた子育て”を暮らしの理想にしている日本人は多いはず。しかし他方で、日本人の「完璧家事」や「手づくり」礼賛の傾向、さらに昨今のシンプルな暮らし(「断捨離」「ミニマリズム」など)の流行が母親への目に見えない圧力となると同時に、葛藤の原因にもなっている。

 日本の家事の「あたりまえ」は海外の人の目にはどう映るのか? なぜ日本では男性の家事参加が進まないのか? 国や学校により「よい母、よい家庭」であるよう仕向けられてきた歴史とは? 同書は、翻訳家として活躍する一方で、家事や掃除術の専門家でもある著者・佐光紀子が、多くの聞き取りや国際比較などを参照しながら、苦しくない家事とのつきあい方を紹介する。

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 全2部構成となっており、第1部「完璧家事亡国論」では「日本の家事の『当たり前』は、世界の非常識」「家事のできない家族は滅びる」といった内容を展開。日本女性の家事の現状や考え方が、世界とどのように違うのかをデータとともに紐解いていく。

 たとえば、食器を1日3回以上洗う人の割合は日本では55.5%になっているのに対し、アメリカはなんと8.3%。しかし、実は日本も昭和初期には食器を毎回洗っていなかったという。「いつの時代から毎食洗うようになったのか?」、「外国人との意識の差は何なのか?」など、“日本の主婦は家事をしすぎ?”といった目線で追求していく。

 また、第2部では「『片付けすぎ』が家族を壊す」という内容を展開。「和洋折衷の団地が片付かない家の原点」、「日本の玄関が片付かない理由」「ミニマリストは変人?」など、日本の片付けを紐解いていく。

 世界一家事をしすぎな日本人。丁寧な暮らし、手づくりの食卓、シンプルな部屋といった憧れと呪縛を解き放って、苦しみから抜け出そう。

佐光紀子
1961年東京生まれ。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に携わったあと、フリーの翻訳者に。とある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。2002年、『キッチンの材料でおそうじする ナチュラルクリーニング』を出版。以降、掃除講座や著作活動を展開している。著書はほかに、『心の負担を半分にする 常識やぶりの「家事半分術」』、『やめたらお家スッキリ!―モノと手間がグンと減る「楽チン生活」70のヒント』、「汚れおとし大辞典―ナチュラル・クリーニング』、『重曹大辞典―決定版』、『男の掃除』など多数。

※掲載内容は変更になる場合があります。