次にくる「恋愛マンガ」はコレ!

マンガ

更新日:2012/2/15

 マンガを語るうえで欠くことのできない王道ジャンル・恋愛マンガ。ダ・ヴィンチ3月号の「次にくるマンガ」特集が選んだ、次にくる有力作品は下記の通り。

『アオハライド』(1~3巻)咲坂伊緒 集英社マーガレットC
『14歳の恋』(1巻)水谷フーカ 白泉社 楽園C
『ライアー×ライアー』(1~2巻) 金田一蓮十郎 講談社デザートC
『脳内ポイズンベリー』(1巻) 水城せとな 集英社クイーンズC

『アオハライド』『14歳の恋』『ライアー×ライアー』は、大人もキュンとする恋愛ストーリー。好きな人を想う不自由で、でも少しウキウキする恋心が丁寧に描かれている。一方『脳内ポイズンベリー』は、少し変化球。恋愛マンガの武器“モノローグ”を、“脳内会議”で表現。「声をかける? 何を話す? オバサンって言われた……」。迷いと自虐的妄想は、恋につきもの。“大人の恋愛あるある”ともいえる、新感覚の作品だ。

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 恋愛マンガで最も重要な要素は、主人公のキャラクターだ。昭和の時代、その魅力は、容姿、頭脳、才能など外面から語られることが多かった。しかし現代、それらはあまり重視されていない。大切なのは、心のありよう、内面の美しさなのだ。

 4作品の主人公は、皆とても繊細だ。 『アオハライド』の双葉は、ハブられた経験からいつも友達を気遣っている。『ライアー×ライアー』の湊は、潔癖性で自虐気味なくらい謙虚。『14歳の恋』の彼方と和樹は、同級生の期待に応えて大人っぽさを演じている。この繊細さが、主人公たちの魅力なのだ。

 そして恋に落ちる王子様。彼らのかっこよさも、外面にはない。繊細な女の子を思いやれる、優しい心にあるのだ。『アオハライド』の洸は、自分を装う双葉の本当の姿を理解し、『脳内ポイズンベリー』の早乙女も、脳内会議で大混乱のいちこに「口に出して言ってよ」ときちんと告げてくれる。
 繊細な女子と優しい男子。そんな二人が、誤解やすれ違いを乗り越えて、少しずつ思いを伝え合っていく。現代の恋愛マンガは、そういう愛情深いコミュニケーションのあり方を描き出しているのだ。

(ダ・ヴィンチ3月号 「次にくるマンガランキング」より)