岩田剛典主演! 中村文則作品の映画化第4作『去年の冬、きみと別れ』はストーリーは別物でも、本質は同じ

エンタメ

2018/3/7

『去年の冬、きみと別れ』
『去年の冬、きみと別れ』
中村文則(幻冬舎文庫)

 純文学とエンターテインメントをミックスさせた作風で知られる、中村文則作品の映画化ラッシュが止まらない。1月公開の『悪と仮面のルール』。今年後半公開予定の『銃』(著者のデビュー作だ)。そして、3月10日より公開される『去年の冬、きみと別れ』。女性焼死事件の元容疑者で天才フォトグラファー・木原坂(斎藤工)を追いつめる、新進気鋭のルポライター・耶雲を岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)が演じている。爽やかで健康的な「王子」のイメージを覆す、熱演だ。

 メガホンを取った瀧本智行は、脚本開発にも積極的に関わっている。原作に施したアレンジは大胆不敵で、大規模。本作は中村文則が初めて手掛けた「ミステリー」だが、トリックに関わる部分にも変更点がある。にもかかわらず、原作を忠実に再現していると感じられる理由は、主人公の人物像にある。彼の身体の中に善悪や虚実がボーダーレスで混在している感触は、原作で描かれていたテーマや世界観そのもの。ストーリーは大きく変わっても、本質はまったく同じなのだ。

文=吉田大助

『去年の冬、きみと別れ』
原作:中村文則(幻冬舎文庫) 監督:瀧本智行 出演:岩田剛典、山本美月、斎藤 工 ほか 配給:ワーナー・ブラザース映画 3月10日より全国公開