【ダ・ヴィンチ2018年5月号】A.B.C-Z特集番外編

特集番外編2

2018/4/6

【ダ・ヴィンチ2018年5月号】A.B.C-Z特集番外編


2回目のA.B.C-Z特集にあたって

編集担当

2016年4月号では、戸塚祥太さんの卒業記念としてA.B.C-Z特集を組みましたが、その約2年後に『ジョーダンバットが鳴っている』刊行記念として、再びこのような特集が組めるとは思ってもいませんでした。書籍の刊行を応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

前回はA.B.C-Zを知らない方々に向けて、彼らの魅力を紹介することをメインに記事を作成いたしましたが、今回はこの2年の間にどんなことがあり、個々のメンバーがどんなふうに変化・成長したのか、その過程が見える特集にしたいと思いました。

そこで考えたのが対談企画です。各々が個人として勝負した仕事の中でお世話になった方々から、そのときのことを振り返りつつ今後に向けてのアドバイスと期待のお言葉をいただけたらと。

お相手についてはメンバーやマネージャーさんと相談してご依頼したのですが、非常にお忙しい方々であったにもかかわらず、みなさまからすぐに快諾のお返事をいただき、そのことからも個々の現場で彼らが周りの方々から愛される存在であったことを実感いたしました。

それぞれの対談の際に印象的なエピソードをいくつもうかがったのですが、個人的には大森美香さんと戸塚祥太さんの対談のなかで、「ジョーダンバットが鳴っている」の連載がある仕事のきっかけとなったことを教えていただき、とても感慨深く心に残っております。

『ABChanZoo』MC座談会は、特集考案時にすぐに思いついた企画です。アルコ&ピース、ニューヨークの方々が愛のある鋭いコメントで、番組内でのA.B.C-Zの素顔を明かしてくださっていて、ファンの方でも新鮮な驚きがあると思います。

特集の冒頭にファンのみなさまからご回答いただいたアンケートのコメントを掲載させていただきました。本当に多数の方からご意見をいただき、ありがとうございました。ほんの一部の掲載ですが、さまざまな期待が彼らに寄せられていることを感じていただけると思います。

取材してくださったライターさんからも、取材の印象を「番外編」としていただきましたので、以下に掲載いたします。

 

誰もが愛さずにはいられない、最強のアイドル

ライター 立花もも

2年前にA.B.C-Z特集では、A.B.C-Zを知る方々にその魅力とメッセージをうかがう取材をしました。今回は形を変えて、メンバー1人ひとりがお世話になった方々と対談。そのどちらでも強く感じたことがあります。A.B.C-Zは、愛されている。一度仕事をご一緒したら愛さずにはいられない、応援せずにはいられない魅力が彼らにはあるのだと。

上川隆也さんは、五関さんに会うなりハグ。対談終わりにも、撮影終わりにも、握手とともにハグ。五関さんがお話しする姿を、上川さんはずっと嬉しそうに見守っていて、上川さんがお話するときは、五関さんは静かにはにかみながらうつむいていて。会うのは舞台が終わって以来とのことでしたが、ウィルとネッドの絆の強さを感じた対面でした。

河合さんと対談した演出家の木村信司さんはとにかくパワフルな方。何度も「河合? それは誰だ? というところからまた稽古を始めるぞ」と発破をかけ、「怖いなあ、でもこういう感じだった。懐かしい」と河合さんがうずうずし始める。河合さんの殻を破ったのはこの方だったのか、というのがありあり伝わってきて、次の舞台ではきっとまた新しい河合さんが誕生するのだろうと予感させられます。

表紙撮影の日に『スラムダンク』片手に「やっぱり全体を見て気を配りながらチームを背負える人が一番かっこいい」「愛之助さんみたいにかっこいい男になりたい」と言っていた橋本さん。片岡さんに「はっしーは伸びしろがあるし十分かっこいい」と褒められ嬉しそう。座長としての心構えなど、めざすべき男のかっこよさを伝授され、噛み締めていました。

そして前回の特集で、A.B.C-Zは芸能界の上杉謙信と名言を残した山里亮太さん。実はプライベートで塚田さんはしずちゃんと飲むことのほうが多いそうで、改めてお話を聞ける機会に興奮。山里さんはとにかく優しく真摯。「壊れているように見せかけて、塚ちゃんは実はすごく繊細な土壌の上に咲いている花。だから自由にやったほうがいい。それはA.B.C-Zみんなそうなんだけどね」とまたも、書ききれない名言を連発されていたのでした。

なお今回は、橘ももという別名義で、マンガの原案にも参加しています。つねづね、ダカールラリーとA.B.C-Zは親和性が高いはずだ……と思っていたので、物語として実現できてうれしかったです。

これはひどく個人的な話なのですが。夢って、まるで手に入らないというよりも、近い場所にいるのに届かない、ってことがあんがい多いと思うのです。努力の途中であきらめざるをえなかったり、おおよそで見れば叶っているけど本気で憧れていた場所(自分)にはたどりつけなかった、とか。自分は自分のたどりつける現実の中で、最高峰をめざすしかない。その最高峰が、唯一無二であってほしい。あれるはずだと信じたい。そんな夢のかけらを、私たちはA.B.C-Zに託したくなるのかもしれない、とふと思いました。

だけどそれは決して、A.B.C-Zに私たちの肩代わりをしてほしいということではなく。私たちのちっぽけな夢や現実をぐんぐん超えて、誰も見たことのない唯一無二のてっぺんをめざしてほしい。彼らなら誰も見たことがない、想像もしなかった新たな星として歴史に名を刻むはずだ。そんなふうに期待と夢を託すのではないか。アルコ&ピースの平子さんが「俺たちが気軽に話せなくなるくらいの存在になってほしい」と言っていたのも、そういう思いが含まれているんじゃないかなと。『ABChanZOO』のMC座談会も含め、今回お話をうかがった誰もが「ポテンシャルは随一だからもっともっと先へ、上へ、伸びていってほしい」と願っている。できるはずだと信じている。そんな気持ちにさせられることこそが、彼らが真のアイドルたる証なのではないかと深く感じた特集でした。

彼らを応援し続けるファンの皆様に、楽しんでいただけるものであってくれればうれしいです。

 

悩んで、深く考えて、素直に取り込む

ライター 門倉紫麻

 戸塚祥太さんの単独インタビューと、脚本家・大森美香さんとの対談を担当させていただきました。

取材当日は、選んだ本(『海辺のカフカ』)について、エッセイ集『ジョーダンバットが鳴っている』)についての取材→大森美香さんとの対談という流れ。単独インタビューでは、エッセイ集発売の喜びはもちろん、戸塚さんが再び「書く」ことと真剣に向き合っていることがよくわかるお話をいただきました。

そんな前半戦の取材をいったん終え、取材スタッフと雑談していた戸塚さんが、ライター陣に向かってぽつりとこうおっしゃいました。「(ライター陣も)ずっと書いていらっしゃるんですもんね……」。戸塚さんが今、生みの苦しみの中にいることが、その何気ないひとことから伝わってきて(気の利いた返答もできぬまま)胸を打たれたのでした。

対談が始まると、家族でA.B.C-Zを応援しているという大森さんに、戸塚さんは積極的に質問を投げかけます。特に繰り返し聞いていたのは、大森さんの大胆でパワフルな仕事ぶりについて。大森さんは自らの仕事について、ワクワクが止まらないというように語っていきます。

と、それを聞いている戸塚さんの表情が、変化していくことに気づきました。単独インタビューの時も、もちろん笑顔で語ってくださっていたのですが、大森さんと話すうち、薄っすらかかっていた霧が少しずつ晴れるように、明るい表情になっていくのです。戸塚さんは大森さんに苦しさを打ち明けたわけでもなく、大森さんが直接的なアドバイスをしたわけでもありません。けれど短い時間の中で、戸塚さんが大森さんから何かを受け取ったのだということを、その表情が語っていました。

幾度かの取材を通して、戸塚さんは「深く考える」人だと感じていました。でも今回の取材で、戸塚さんは「素直に取り込む」人でもあるということに――「深く考える」と一見矛盾するような魅力が同居しているということに――あらためて気づかされました。

悩んで、深く考えて、素直に取り込んで、また悩んで。それを繰り返しながら、戸塚さんは、そしてきっとA.B.C-Zというグループは、魅力的なアイドルになり、これからも魅力を増していくに違いありません。そうやって変化し続けるA.B.C-Zのみなさんのことを、長く追って記事にさせていただきたい、と強く思います。