末期患者を癒しに来たのは少女のような“愛人”でした——最強! 異世界マンガまとめ

マンガ・アニメ

2018/5/1

 雨が多くなり、自宅が過ごす休日が増えるこれからの季節。そんなおこもりデーは、マンガのまとめ読みのチャンス! でも、「いざ読もうとすると多すぎて選べない」という人もいるだろう。本稿では、一度読み出したら止められない、オススメの異世界マンガを紹介したい。

■アニメ化もされた、言わずと知れた大ヒット作! 『暁のヨナ』

 1つめは、2009年から『花とゆめ』(白泉社)で連載されている『暁のヨナ』(草凪みずほ/白泉社)。2014年から2015年にかけてアニメ化もされた超大人気作で、単行本は現在26巻まで刊行されており、まとめ読みにぴったりの作品だ。

 高華王国の姫である主人公のヨナは、優しい父や幼なじみで護衛のハク達とともに何不自由なく暮らしていた。しかし16歳の誕生日、彼女の人生は一変する。ここから彼女は、過酷な運命を歩んでいくことになる。そして、自らの“天命”を受け入れ、ハクとともに「四龍の戦士」を捜す旅に出る。

 姫として生きてきたヨナが、ハクに守られながらも自らの足で立ち強く生きていく様子を見ていると、自然と応援したくなる。ヨナの、姫でありながら守られてばかりではない、芯のあるキャラクター性も大きな魅力の1つだ。

■届いた“愛人”は、まるで子ども!? 『愛人 [AI-REN]』

 2つめは、1999年から2002年に『ヤングアニマル』(白泉社)で連載されていた『愛人 [AI-REN]』(田中ユタカ/白泉社)。余命幾許もない末期患者と、末期患者用に作られた擬似的な恋人・配偶者「愛人(あいれん)」の生活を描いた物語。

 手術の後遺症に苦しむ孤児・ヨシズミイクルが手に入れた愛人・あいは、恋人や配偶者というより子どものよう。最初は戸惑いもあったが、イクルはあいの世話をしていく中で生きがいを見つけていく。

 用済みの人造遺伝子人間の記憶を上書きして愛人にするという、常識を疑うようなシステムがあり、それによって孤独から救われる人間がいる。そんな世界観に、もし自分がイクルだったらどうするだろう、と思考を巡らせてしまう。あいの可愛さが魅力的な作品だが、それ以上にいろいろと考えさせられる作品だ。

■井戸で繋がる冥界で、冥王を助けるお仕事!? 『コレットは死ぬことにした』

 3つめは、2014年から『花とゆめ』で連載中の、『コレットは死ぬことにした』(幸村アルト/白泉社)。薬師×冥王という一風変わった組み合わせで繰り広げられる本作品は、現在10巻まで刊行されている。

 多忙を極めた生活を送っていた薬師・コレットは、ひょんなことから冥界へたどり着いてしまい、体調を崩していた冥王・ハデスと知り合う。病人を放っておけないコレットは、裏庭にある井戸を介して現世と冥界を行き来し、半ば強引にハデスの治療を行っていく。

 代わりのきかない仕事に追われる身、という意味では、コレットとハデスは似た者同士。そんな2人が交わる中で、お互いに大事なことに気づき、少しずつではあるが心を開き、成長していく様子は、見ている側にも気づきを与えてくれる。

■7人の男女が持つ前世の記憶が、彼らを引き合わせる! 『ぼくの地球を守って』

 4つめは、1986年から1994年にかけて、同じく『花とゆめ』で連載された『ぼくの地球を守って』(日渡早紀/白泉社)。こちらは1993年から1994年に渡って、OVA化されている。

 メインキャラクターたちは、一見普通の高校生。しかし実は前世は異星人で、現代日本に転生した今でも、その記憶が夢として現れる。そしてその7人が見る夢が、バラバラだった7人を繋げていく。主人公特有の特殊能力など、「前世」からの影響も大きく、物語は前世の出来事と交互に進んでいく。

 何の繋がりもないはずの人間が、遠い昔の繋がりによって導かれるという、「縁」を強く感じる作品。当時は、ブームとなっていた「前世」や「転生」をより盛り上げる作品として、強い支持を得ていたそう。

■契約し、悪魔と生きることになった孤独な少女の物語。 『この愛は、異端。』

 そしてもう1つ、マンガ好きライターとしてこれからの展開が気になるのが、『この愛は、異端。』(森山絵凪/白泉社)。本作品は『ヤングアニマル嵐』で連載がスタートし、人気に火が付き、今年5月25日発売号から『ヤングアニマル』本誌へ移籍となった。単行本は、現在2巻まで刊行されている。

 両親を事故で亡くし、天涯孤独となってしまった少女・淑乃は、ある日古本屋で見つけた本で悪魔・ベリアルを召喚してしまう。ベリアルは、淑乃の言うことを聞く代わりに“対価”を支払うこと、死ぬまで一緒に暮らすことを要求。その対価は、なんと“キス”や“愛撫”。しかし対価さえ支払えば、ベリアルはとても穏やかに、まるで父親のように接してくれた。でも、それでも彼はやっぱり悪魔で、淑乃はその溝に苦悩する。

 居場所がなかった淑乃をベリアルが父親のように育ててくれたという事実と、彼が対価によって動いているだけの悪魔であるという現実。そして度々要求される“対価”。そんな寂しさを抱える淑乃とベリアルが今後どうなっていくのか、ベリアルに心境の変化は表れるのか、非常に気になる。

 自宅にこもりがちな梅雨のシーズンは、気になっている漫画はもちろんのこと、いつもは読まないような漫画にも手を出してみては?

文=月乃雫