「趣味はマンガ」、貫地谷しほりのイチオシ作品は?

芸能

更新日:2012/3/23

 日本社会の肖像をリアルに、コミカルに描き続けてきた、映画監督・森田芳光の遺作となった映画『僕達急行 A列車で行こう(配給:東映)が3月24日から公開される。鉄道オタクの名コンビを演じるのは、松山ケンイチと瑛太。

貫地谷しほり「ジョブズさんって、ハンパじゃないんです!」

 貫地谷しほりは、オタク男子との恋で悩むヒロイン・相馬あずさを好演。「私のこと好きでしょ?」「大勢の中から私を選んだくせに!」といったクサい台詞も、サラッと言ってのける。「私が恥ずかしがったら、観ている人にとっても恥ずかしいシーンになってしまう」。だから演技の時は、「やりきろう!」と心がけていたそうだ。

 「普通はこんなことしないよなんて言い出したら、お芝居なんて一個もできないですから(笑)。この世界では、これがリアル。そういう意味での“リアルさ”を追求して演じました」

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 この映画のメッセージのひとつは─「好き!」の気持ちが世界を動かす。では、貫地谷さんの趣味は? 「漫画を読むことです」と即答。実は、あまりに読み過ぎ&コミックスの集め過ぎで部屋が狭くなり、2年前に泣く泣く大量処分したそうだ。そんな漫画好きの彼女が選ぶお気に入りの一冊が、『ピアノの森』(講談社モーニングKC)だ。

 「“この結果に辿り着くために、ここでこう動かす”という作者の意図が見えちゃうと、醒めちゃうタイプなんです。でも、『ピアノの森』はそうじゃなくて。カイ君は、森に捨てられたピアノで遊んでる男の子だったのが、周りの人からの影響でピアノの才能が磨かれていって、今や世界的なコンクールに出て……。その流れが、すごく自然なんですよね。カイ君の心の動きや行動に、無理がない。そうだよなぁ、カイ君だったらそうするよなぁって、どの場面も素直に共感できて、熱くなるんです」

 もうひとつ、貫地谷さんならではのときめきポイントがある。

 「超人的な能力を持った人の話が好きなので、“カイのピアノはその一音で会場の色を変えた……”とか書いてあると、ドキドキしちゃうんです。私が『ガラスの仮面』が大好きな理由も、超人感ですね。“白目になっちゃった!”みたいな(笑)」

いつの日か、「超人感」丸出しの役を演ってほしい!

(ダ・ヴィンチ4月号 「あの人と本の話」より 取材・文=吉田大助)