今話題の“終活本”『すぐ死ぬんだから』とは? 「トーハン 週間ベストセラー」(9月4日調べ)

文芸・カルチャー

2018/9/18

 9月4日調べの「トーハン 週間ベストセラー」が発表されました。各ジャンルから注目の本をピックアップしてご紹介します。

 単行本・文芸書ランキング1位は、7週連続で『下町ロケット ゴースト』(池井戸潤/小学館)。9月28日には早くも続編となる『下町ロケット ヤタガラス』の発売が決定、10月のドラマ放映開始を前に「下町ロケット」旋風が続きそうです。

 文芸書2位には、内館牧子氏の新刊で、少しドキッとするタイトルの『すぐ死ぬんだから』(講談社)が初登場。主人公の78歳のハナは、夫の岩造と東京の麻布で営んでいた酒店を息子に譲り、隠居生活を送っています。『年を取ることは退化であり、人間60代以上になったら実年齢に見られない努力をするべきだ』という信条のもと、美しさと若さを保つハナですが、ある日、岩造が倒れたところから、思わぬ人生の変転を迎えます…。内館氏が定年を迎えたサラリーマンの悲哀を描いて大ヒットし、今年6月に映画化された『終わった人』(講談社)に続く、新「終活」小説。今年冬の芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)は74歳の主人公・桃子さんの生き様を描いた作品でしたが、“人生100年時代”と言われる中で、新しい高齢者像を描く作品が増えています。

 7位には湊かなえ氏の新刊『ブロードキャスト』(KADOKAWA)が登場。“イヤミス(後味の悪さを楽しむミステリー)”を得意とする湊氏が、初めて挑んだ学園青春小説です。中学まで打ち込んできた陸上を断念した主人公の圭祐。高校で友人の正也に誘われて、何となく入った放送部で、仲間たちの熱意に触れながら共にラジオドラマを作り、その面白さに目覚めていきます。本作は自身初の新聞連載小説であることも話題となりました。

 単行本・ノンフィクションランキング1位は、こちらも7週連続で『大家さんと僕』(矢部太郎/新潮社)。先日、同書に登場する“大家さん”が亡くなったことが著者の矢部氏のTwitterで発表され、『週刊新潮』の連載も休載となりました。大家さんと矢部氏の心温まる交流に、再び注目が集まっています。

 同ランキング3位には、お笑い芸人・オードリーの若林正恭氏の新刊『ナナメの夕暮れ』(文藝春秋)が初登場。今や多くの番組で司会を務めるなど、テレビ・ラジオで大人気の若林氏ですが、読書家としても知られているほか、キューバへの一人旅について書き下ろしたエッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(KADOKAWA)が第3回斎藤茂太賞(一般社団法人日本旅行作家協会主催)を受賞するなど、文筆家としても活動を広げています。

 紹介した本は全国の書店、またはオンライン書店「e-hon」でお求めいただけます。また、「トーハン 週間ベストセラー」はトーハンのホームページでもご確認いただけます。

■e-hon公式サイト(https://www.e-hon.ne.jp)