1位は『下町ロケット』いま売れている本ベスト10

文芸・カルチャー

更新日:2018/10/29

 10月調べの「トーハン 週間ベストセラー」が発表されました。各ジャンルから注目の本をピックアップしてご紹介します。

 総合3位、及び単行本・文芸書ランキング2位は、『コーヒーが冷めないうちに』(川口俊和/サンマーク出版)。物語の舞台である喫茶店・フニクリフニクラには「店内の【ある席】に座ると、望んだとおりの時間に戻ることが出来る」という不思議なうわさがありました。過去に戻って、どんな事をしても、現実は変わりません。それでも過去に戻りたいと願う客たちを待っていたものとは……。

 著者の川口俊和氏は、舞台の脚本家兼演出家として活動、『コーヒーが冷めないうちに』も当初舞台として上演され、第10回杉並演劇祭大賞を受賞しています。この劇を観て感銘を受けた編集者の薦めがあり、本作で小説家としてデビューしました。

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 2015年12月の発売以降、口コミで話題が広がり、2017年には本屋大賞にノミネート。トーハンベストセラーには2016年3月から現在まで約100回ランキングに入っているロングセラーです。現在、同作品と、続編『この嘘がばれないうちに』を原作とした有村架純主演の映画が公開されており、再び注目を集めています。今週のランキングには『この嘘がばれないうちに』が文芸書8位、今年9月に発売となったシリーズ最新刊『思い出が消えないうちに』も5位に入っています。

 総合6位『おしりたんてい みはらしそうの かいじけん』(トロル 作・絵/ポプラ社)は、見た目はおしりでも、推理はエクセレントな名探偵・おしりたんていが、数々の難事件を「ププッっと解決」していくシリーズの最新刊。これまでに幼児対象の絵本6作品、小学生を対象とした読み物7作品が発売され、シリーズ累計300万部を超える大ヒットシリーズとなっています。今年5月と7月にNHK Eテレで特集番組としてアニメ化されましたが、12月1日からレギュラー放送が決定。絵本の新刊も12月に発売される予定です。

 総合9位に初登場の『だいじょうぶだよ、モリス 「こわい」と「いやだ」がなくなる絵本』は、累計100万部を突破し、2016年のトーハン年間ベストセラー2位となった『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』の著者・カール=ヨハン・エリーン氏の新作です。『おやすみ、ロジャー』は、スウェーデンの行動科学者である著者が、心理学と行動科学の知識を活かして書いた絵本で、「読み聞かせをするだけで子どもがすぐ眠る」と世界中で話題となり、日本でもテレビや新聞等で大きく取り上げられました。

 今回の作品では、1週間の物語の中に「さみしい気持ち」「苦手な食べ物」「暗闇への恐怖」など、子どもが不安を感じる場面が描かれ、シチュエーションごとに子どもが分かりやすい「魔法の言葉」で解決策を示しています。9月22日に放送された「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)に著者が出演し、自ら内容を紹介、子育ての参考になると大反響を呼び、すでに10万部を突破しています。翻訳を手がけるのは、2児の父でもあるお笑い芸人・オリエンタルラジオの中田敦彦氏、今回が初の翻訳作品となります。

 紹介した本は全国の書店、またはオンライン書店「e-hon」でお求めいただけます。また、「トーハン 週間ベストセラー」はトーハンのホームページでもご確認いただけます。

■e-hon公式サイト(https://www.e-hon.ne.jp)