高橋一生と蒼井優が18年ぶりに映画共演、初の夫婦役に! タナダユキが自身の小説『ロマンスドール』を映画化

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公開日:2019/1/30

『百万円と苦虫女』『ふがいない僕は空を見た』などで知られるタナダユキが、自身初のオリジナル小説『ロマンスドール』を自ら映画化。『リリイ・シュシュのすべて』以来18年ぶりの映画共演となる高橋一生蒼井優が、初の夫婦役を務めることも明らかとなった。

 一人のラブドール職人と、彼が一目で恋に落ち結婚した妻との日々を描いた本作。型破りな設定と衝撃的な展開の中で、男女が強く惹かれ合い、すれ違い、もがきながらも、夫婦として“本当の幸せ”を見つけていく物語に、みうらじゅんは「こんな男の面倒臭い気持ちをどうして女のタナダさんが書けるのか?」とコメント。2008年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載されるやいなや、「小説の1行目から衝撃的」「ぐいぐい引きこまれた」「まさか泣けるとは思わなかった」など多くの話題と共感を呼んだ。

 主演をつとめるのは、『シン・ゴジラ』『嘘を愛する女』『億男』など話題作への出演が後を絶たない高橋一生。美大卒業後にフリーター生活をしていたところ、ひょんなことからラブドール制作工場で働き始め、次第にその魅力にのめり込んでいく主人公・北村哲雄を演じる。哲雄の妻・園子を演じるのは、2008年に『百万円と苦虫女』でタナダ監督とタッグを組んだ蒼井優。昨年『彼女がその名を知らない鳥たち』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝き、日本映画界を代表する女優となった蒼井が、優しさの中に強さをもった、芯のある女性を繊細に演じ切る。二人が魅せる、刺激的でちょっぴり危ない香りの漂う大人のラブストーリーに期待がかかる。

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 さらに二人をとりまく共演陣に、きたろう、渡辺えり、ピエール瀧、浜野謙太、三浦透子、大倉孝二ら個性豊かな豪華実力派俳優陣が集結! 公開は、今年秋を予定している。

今回、タナダさんの作品ということで出演を決めました。脚本を読んで、人が人を想う純粋な気持ちがとても映画的に描かれていて、それが素敵だと思ったんです。お話をいただけて、嬉しかったです。今回の役を演じるにあたり、実際にラブドール工場に見学に行き、ドールづくりについて学びました。そこにいるのはまさに職人の方々で、工芸的な感覚でひとつの作品として作ってらっしゃる姿を見て、自分も哲雄を演じる心構えができました。タナダさんは、芝居の中で自分が意図しないところを的確に指示してくださるので、迷うことがありません。僕が哲雄として、役の中で生きていくのをサポートするような演出の仕方をしてくださるので、とても安心して演じています。蒼井さんは、ご自身の俳優としての在り方をしっかりと持っている、素晴らしい方です。会話の自然な雰囲気を大切にし、園子としていてくださるので、僕たちはいつでも園子と哲雄になることができます。この作品は、結婚してからはじまるラブストーリー。結婚がエンディングではなく、その先のお互いの想いや愛の形がどう変化するか、どこに落ち着いていくのか。激しさだけでなく、淡々とした日常の中で本当の愛が見えてくるような、ある意味究極の作品だと思っています。改めて、タナダさんや蒼井さんはじめ、素晴らしいスタッフとキャストの方々に囲まれてこの作品に参加できることを、幸せに思っています。高橋一生

小説が出たとき、タナダさんご自身で映画化されないのかな?一緒にやれるといいなと思っていたので、時間が経ってからこうしてお話をいただき、今の自分で良いのだと嬉しかったです。タナダさんとはもう一度お仕事をしたかったので、こんなステキなお話、断る理由もありません。高橋一生さんとは、ドラマでの共演はありましたが、ここまでがっつりは「リリィ・シュシュのすべて」以来です。先輩!という印象で、撮影中もいつも真ん中に高橋さんがいてくださるので、とてもやりやすいです。私が演じる園子は、優しくて気立てのいい女性ですが、タナダ節が入っていて、結構大胆なところがあるんです。それはタナダさんが描く女性に共通しているところですね。最近は依存した役どころが多かったので(笑)、久しぶりに自立した女性を演じるということで、楽しみたいと思います。約 10 年ぶりのタナダ組、ひとつひとつを受け止めながら丁寧に園子を演じていきたいです。蒼井優

10年ほど前に小説として書いた時は、まさか映画化できるとは思ってもみませんでした。自分で書いたものですが、だからこそ、いい塩梅で小説からは離れ、映画として再構築出来ればと思いましたが、それはキャストの力、スタッフの力なくしては実現しないこと。そういう意味でも今回、最高のキャスト、スタッフが集まってくれたと感じています。
オリジナル作品ですのでいつもよりも余計に、この人たちでなければ、という方にしか役を託せないなという思いがありました。高橋一生さんとは広告のお仕事以来ですが、哲雄を託せるのは何度考えても高橋一生さん以外思い当たりませんでした。映画を作るというのは日々、正解がない中で正解めいたものを探し続ける作業ですが、一生さんが日々哲雄として新鮮に生きてくれているから、私は監督として「正解めいたもの」に確信と大きな安心感を持つことができています。
蒼井優さんは私にとって特別な女優。約10年ぶりに再び一緒に映画を作れるなんて、感慨深いです。園子の儚さと芯の強さは、蒼井優さんだからこそ体現出来ると思っています。10年前よりもさらにたおやかで、10年前と変わらない本番直前のスイッチが入る瞬間には、相変わらずワクワクします。
お二人ともに、俳優として絶対の信頼を寄せていたので心配事が一切なく、こんなに楽しい撮影は初めてかもしれません(笑)。
生きることがあまり上手ではない人たちの、歓びも哀しみも矛盾も愚かさも全てを包み込んで、作品として昇華出来るよう、最強で最高なスタッフ、キャスト陣と共に、完成まで突き進みたいと思います。タナダユキ

■映画『ロマンスドール』
2019年秋 全国公開
出演:高橋一生 蒼井優 きたろう 渡辺えり ピエール瀧 浜野謙太 三浦透子 大倉孝ニ
原作:タナダユキ『ロマンスドール』(KADOKAWA刊)
脚本・監督:タナダユキ
製作:「ロマンスドール」製作委員会
配給:KADOKAWA
(C)2019「ロマンスドール」製作委員会
映画公式サイト:romancedoll.jp

【あらすじ】
美人で気立てのいい園子に一目惚れして結婚した哲雄が、彼女にずっと隠し続けている仕事、それはラブドール職人としてドールを作っていること。平穏に過ぎていく日常の中、哲雄は仕事にのめり込み、恋焦がれて結婚したはずの園子とは次第にセックスレスになっていた。いよいよ夫婦の危機かと思ったとき、園子はぽつりと胸の中に抱えていた秘密を打ち明けた。純愛と性愛とドールが交錯する、大人のラブストーリー。