“最強ポジティブキャラ”から学校中退――若手マンガ家がどん底の中で掴んだ答え

暮らし

2019/3/11

『「もう頑張れない」って言ったって、君の価値は下がったりしない』(夏ノ瀬いの:著、水島広子:協力/KADOKAWA)

 毎日の仕事や課題、人間関係に疲れて、もう無理…。ホームに入ってくる電車を見て、「今飛び込んだら楽になれるかな」などと考えてしまったことはないだろうか。

 マンガ家・夏ノ瀬いのさんもそんな一人だった。

 高校時代は「鋼のメンタル」と呼ばれ、自他ともに認めるポジティブキャラ。だが卒業後、大手制作会社のアニメーターを目指して入った専門学校で、大量の課題やアルバイト業務、周りからの期待に押しつぶされ、電車を見て「消えたい」と思うほど欝気味になる。優等生だったはずが、中退にまで追い込まれてしまったのだ。

 学校を辞めた夏ノ瀬さんを襲ったのは、逃げた自分への嫌悪。そして、「私らしくない私」への絶望だった。

 落ち込んでいた最中、自分を励まそうと描き始めたマンガが、書籍化された『「もう頑張れない」って言ったって、君の価値は下がったりしない』(KADOKAWA)。Twitterで話題を呼んだ同作には、夏ノ瀬さんの挫折体験をもとにした、自分を見つめ直すための考え方が描き下ろされている。

■過去の弱い自分を認めて、好きになる

■そのままでいいよ、信じてる

 周りにいい顔をして頑張り続けてしまう人は、「どうしてこんなこともできない?」と自分にダメ出ししたり、他人と比較してしまいがち。

 本書に寄稿している精神科医・水島広子さんはコラムの中で、「自分の事情を考えれば、その中で最大限頑張った結果が今」であり、「『今は、これでいい』と自分を肯定した方が、本当の意味でプラスアルファの進歩ができる」と述べている。

 頑張りすぎて心が折れそうになったら、夏ノ瀬さんがどん底を経験した末に気づいたように、「キミはキミのままでいいよ」と自分に言ってあげてほしい。

夏ノ瀬いの
大阪府出身。高校卒業後、アニメーターを夢見て進学した専門学校を中退。現実から逃げた自分に絶望し、不意に何度も「消えたい」と思うほど鬱気味になる。その体験をもとに描いた漫画をSNSで発信し、話題に。現在はイラストレーターやWeb漫画家としても活躍している。
Twitter @stylish_gorilla