『プロフェッショナル 仕事の流儀』で話題のカリスマ清掃員・新津春子が語る「清掃」と「掃除」の違いとは?

ビジネス

公開日:2019/7/2

『清掃はやさしさ』(新津春子/ポプラ社)

 2019年7月2日(火)にNHK総合で放送される「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、カリスマ清掃員の新津春子が出演する。新津は国際的なランキングにおいて4年連続で「世界一清潔な空港」の1位に輝いた、羽田空港の清掃指導者だ。

 しかしその半生を綴ったノンフィクション『清掃はやさしさ』(ポプラ社)によると、“日本一の清掃職人”と呼ばれるまでの道のりは決して順風満帆ではなかったよう。中国残留日本人孤児の父親を持ち、中国に生まれた新津は幼い頃にいじめを経験。その後日本で清掃のプロを目指して働き始める彼女だが、待ち受けていたのは恩人の死など様々な苦難だった。

 本書で新津は「掃除」と「清掃」は全く違うものだと語っている。掃除は自分や家族、会社の仲間などのために行う無償の作業であり、清掃は技術や知識を持つプロがお金をもらって行う作業。そのため掃除は自分や家族が満足すれば問題ないが、清掃には品質が要求される。掃除よりもワンランク上の仕上がりにするため、おもてなしの心をもって客の視点に立ちながら作業するのが清掃だ。

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 また新津が清掃のプロとしての道を歩み始めた原点には、今は亡き上司から「あなたの清掃には、やさしさが足りない」と指摘され衝撃を受けた経験があった。そこで清掃する際には自己満足で終わらせず、心を込めるのが重要だということを発見。目に見えない部分も含めて、使う人の立場になって考えながら清掃するようになったという。

 そんな新津が世間で大きな注目を集めるきっかけとなったのは、2015年6月に出演した「プロフェッショナル 仕事の流儀」。羽田空港での働きぶりや清掃についての哲学を取り上げた番組に、ネット上では「目に見えない部分まで気配りする、職人という言葉がぴったりの清掃人。仕事に対する姿勢と考え方に触れて、自分も汚れに向き合おうと思った」「新津春子さんが神々しいまでに清らかで、あそこまで真摯に仕事と向き合えるものだろうかと感動した」「何気なく観てたら心を打たれた。謙虚でまっすぐだし、かっこよすぎる!」と大きな反響が上がっていた。

 再び出演することとなった「プロフェッショナル 仕事の流儀」に注目が集まる新津。清掃職人の生きざまと清潔な空間を生み出す「心」のあり方を知りたい人は、ぜひ『清掃はやさしさ』も手に取ってみてほしい。