池澤夏樹の名作が「青い鳥文庫」に登場

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/27


1996年に出版され、第41回小学館文学賞も受賞した『南の島のティオ』が5月12日(土)、青い鳥文庫で登場する。

小説だけでなく、詩、評論、エッセイ、翻訳と、幅広いジャンルを手がける池澤夏樹。個人編集の世界文学全集も人気を集め、時事問題にも積極的に発言するなど、教養ある知性派のイメージが強い。そんな池澤作品が青い鳥文庫とは、なんだか異色の取り合わせのようにも感じるが……。 実は、『南の島のティオ』は池澤夏樹が初めて書いた児童向けの本。南の島で父親が経営するホテルを手伝う14歳の少年・ティオが出会う人々や、島での不思議な出来事が描かれている。
「ティオのホテルを訪ねてきた男は“はがきを受け取った人が必ず訪ねてくる”という不思議なはがきを売る人物で……」というストーリーの「絵はがき屋さん」をはじめ、10の短編が収録されている。ありえないけどありそう……と思わせる不思議を詰め込んだ1冊。読んだらティオに会いたくなる、この島を訪ねたくなること間違いなし! 南国のさわやかな描写や、島の人たちの素朴なあたたかさ。児童書だけど、疲れた大人の心も、きっと癒してくれるだろう。

ぼくとあいつのラストラン』や『ぼくがバイオリンを弾く理由』など、多くの児童書でも表紙や挿絵で大人気のスカイエマが描くイラストにも注目したい。

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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