心配性の母親が育児に奮闘!子育てあるあるが満載のコミックエッセイ『母ちゃんだってほめられたい。』

コミックエッセイ

2019/9/19

『母ちゃんだってほめられたい。』(ふるえるとり/KADOKAWA)

 多くの母親にとって育児期間は、日常生活のすべてが子ども優先・子ども中心となり、気づけば家事と育児で一日が終わってしまう、そんな日々のくり返し。育児に対する不安が募ったり、一人で頑張りすぎてしまったり、徐々に余裕をなくしてイライラしてしまった経験は誰にでもあるのではないだろうか。特に一人目の子どもの育児中は、程度の差こそあれ戸惑うことが多い。

 そんな育児に奮闘する母と子とのほっこりするエピソードを、あたたかみがありほんのりシュールな絵で綴ったコミックエッセイが『母ちゃんだってほめられたい。』(ふるえるとり/KADOKAWA)だ。小心者で心配性の母・ふるえるとりさんが、いつも冷静でやさしいご主人“夫”とともに、元気いっぱいの2歳の女の子“むすめちゃん”を育てる日常の一コマが描かれている。

 自己肯定感低めのふるえるとりさんは、初めての育児にびくびくしながら、育て方が間違っていないかと不安になってはふるえ、むすめちゃんがかわいくてふるえ、「かーちゃん大好き」のひとことがうれしくてふるえてしまう母親。日々遭遇する出来事を描くマンガが、子育て中のお母さんの共感を呼んで大人気となり、現在ツイッターのフォロワー数は85,000人以上。

 びくびくしっぱなしのお母さんと天真爛漫な娘のやりとりは「あるある」と共感してしまうエピソードばかり。どこの家庭にもありそう日常のひとコマの中から、いくつか紹介してみたい。

■過剰な心配性でふるえる毎日

 とにかく自分に自信がなく、「こんな育児で大丈夫なのか」と毎日クヨクヨふるえながら生きている心配性のふるえるとりさん。むすめちゃんがお菓子の詰め合わせをもらってグミを食べすぎた日には、色とりどりのグミを吐く娘の夢を見る始末。そして行事が予定された日の天気予報が雨だったときには、こんなおおごとになってしまう。

■むすめがかわいすぎてふるえる

 そんな小心者のふるえるとりさんもむすめちゃんの成長にあわせて、子育てに余裕がでてくる。その理由のひとつは、頑張りすぎるのを辞めて気持ちに余裕が出てきたこと。そしてもうひとつは、元気いっぱいなむすめちゃんのかわいい姿に、日々幸せを感じられたことにある。

 なかなか自己を肯定できず、なにかあれば凹んでしばらく立ち直れない母。しかし我が子はそんなことはおかまいなしに、ひたすら可愛い存在であり続けてすくすくと成長していく。

 本書には、ふるえるとりさんが、むすめちゃんの小食・偏食に悩んだ日々の様子が、なんとか克服させようと奮闘する姿とともに綴られている。新生児~1歳半までの育児でもっとも大変だった時期を振り返った、ふるえるとりさんのメッセージは短いながらも印象深い。

なるようになる・育つように育つ
ある程度の諦めも大切
元気に生きていればOK
心にゆとりを・気を楽にね

 我が子には、「ごはんを食べてエライね」とほめてあげるけれども、母親は家事・育児ができて当然で、誰からもほめられることなどない。「ほめられたい」と感じたふるえるとりさんは、日記にごほうびシールを貼ったことで、毎日のモチベーションがアップしたという。むすめちゃんの愛くるしい日常を目にすると、母にとって子どもの愛くるしい表情と発言こそが、なによりのごほうびにちがいないと思えてくる。

文=向千鶴子