44万DL越えの4コマ漫画『めめたん』、無料公開に抵抗がなかった理由

アニメ・マンガ

2012/5/15

 黄色いロンパース姿でおしゃぶりくわえて事件に挑む、謎のこども刑事「めめたん」。めめたんは、もともと作者の森山一保さんがブログに発表していたネタのひとつだ。

 
 「めめたんの第一話を書いたのは、3年ほど前になります。思いついたネタをただブログにアップしていたら、見てくださった方のコメントがだんだん増えて、めめたんの話題でブログ内が盛り上がってきたんですね。その後、編集プロダクションの方から書籍化の話もいただいたのですが、出版社側からどういう売り方をしていいかわからないと却下されてしまって、その時は実現できなくて…」。

 それでも読者の反響に手応えを感じていた森山さんは、自ら10社ほどの版元に売り込んでみたが、あえなく玉砕。

 その時点ですでに100話ほどネタを描いていた森山さんは、書籍化が難しいならまずめめたんを多くの人に知ってもらおうと、無料アプリで公開することに。当時、有料アプリの漫画があまり広まっていなかったのと、出版社にさんざん断られた経緯もあり、無料にすることにまったく抵抗はなかった。

 開設して3カ月後ぐらいから急に口コミで広がりだし、その後めめたんは、女性向けアプリ紹介サイトのランキング上位に常にランクインするほどの人気となったのだ。

 めめたんが読み手の心をくすぐるのは、柔らかそうな丸みのある体型とつぶらな瞳。そして予測不能な行動と周りを翻弄するマイペースぶり。言葉はしゃべらないけれども変装好きで、大喰いで、たまに大人をおちょくって幼児らしからぬ存在感を放つところにもぐっとくる。

 漫画の内容も、オチがあったりなかったり。意味はなくとも場面の流れやインパクトが面白かったり、4コマもあれば劇画調の短編もありで、まったく型にはまっていない。描き下ろしが半分以上あるという今回の作品には、刑事ものとまったく関係ないネタも出てきて、まさに何でもあり。そのぶん読者を飽きさせないのだ。

 「4コマ漫画って、論理的につくろうと考えるとどんどんつまらなくなっていくんです。だから、馬鹿なダジャレでも思いついたら下描きもせずに描いちゃうぐらいの感じがいいんですよね。いいものを見せたいっていう気構えがあると、読むほうも構えちゃって読んでくれなくなるので。めめたんの短くてバカバカしい内容が、気軽にアプリを楽しみたいスマホユーザーに合っていたのかなと思います」。

 神出鬼没のめめたんには、刑事の世界以外でも会うことができる。『歴史魂』という雑誌の連載では「タイムパトロールめめたろう侍」として、『月刊ボディビルディング』では「筋肉児童マッスルめめたん」として活躍中。今後の展開も楽しみだ。

取材・文=樺山美夏
(ダ・ヴィンチ6月号「『こども刑事 めめたん』 森山一保」より)