「好きな人のために自分を大事にしよう」って思えるから彼氏って尊い/『「運命の恋」のはずなのに、どうして私の彼氏じゃないんだろう』②

恋愛・結婚

公開日:2019/10/1

『「運命の恋」のはずなのに、どうして私の彼氏じゃないんだろう』(もちこ/KADOKAWA)

 好きな男と音信不通になったパニックからTwitterを始め、「こんなに彼氏のこと大好きなのになんで彼氏いないんだろう~」という、失恋に対するひらきなおりのようなキラーワードとともに、愛されたい欲求や理想の恋について呟いてきた、もちこ(@mochikodayoyo)さん。ユーモアの裏に隠されたやさしさや寂しさに、どきっとさせられるような文章を綴ります。

「好きな人のために自分を大事にしよう」って思えるから彼氏って尊い

 恋をすると、好きな人の「目を伏せた瞬間」とか「襟足を触る癖」とか、細かすぎて私しか気付いてないんじゃないかってくらい小さな一つ一つの行動が愛おしくなる現象が起こる。

 片思い中は、同じ空間に入れただけで幸せで、何度も見ては何度も思い出してドキドキする。

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 彼が気にしてる癖っ毛でさえ、もふもふで可愛くて触れたくなるし、声も姿も全部が特別で、一番好きなそれになる。

 それが、まさかの奇跡が起きて両思いになり、私が好きな人の好きな人になった時、自分が好きな人を見つめながら何回も押しつぶされそうになった感情を、好きな人も自分を見つめながら感じていたと知って感動に打ち震える。

 自分を否定することは好きな人の大事な気持ちも否定してしまうことになるから、もう自分で自分のことけなしたりできなくなる。「私なんか」とか絶対に言えなくなる。好きな人の好きな人だから、自分のこと大事にしようって思える。

 私がコンプレックスに思っている部分も彼は受け入れてくれているわけで、私が彼を大好きになる分、全部が反射して自分のことも大事に思える。

 だから、「私が私だから好きになってくれた」って思わせてくれる彼氏の存在って、本当に尊い。誰かを好きになればなるほど承認欲求が満たされるなんて、そんな人生頼もしいことってありますか? こんなに「彼氏がほしい、両思いになりたい」って願うのは、「自分をもっと好きになりたい」と思うことの裏返しなのかもしれない。

【著者プロフィール】
もちこ
人様に笑われるような恋愛やセックスばかりしてきた、17万人以上がフォローする女子大生ツイッタラー。ライター。「彼氏がいないけど」ときめく妄想ツイートや、男性への本音ツイートが多くの反響を呼んでいる。WEB連載も多数執筆中。
Twitter:@mochikodayoyo