読書芸人・オードリー若林、純文学への愛語る

芸能

2012/5/28

 お笑い芸人たちがテーマに沿ったフリートークを繰り広げる、人気バラエティ番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系)。今年2月に放送された「読書芸人」の回で、オードリーの若林正恭は、純文学好きを告白した。改めて純文学への思いを聞いてみた。
  
 「たまにミステリーとかも読むんですけど、“面白いな”とか“巧いな”とか思っても、純文学ほどガッツリこないんですよね。純文学って荒れ球っていうか、たまたま“バチッ!”と当たった時の気持ちよさがものすごいから。あらゆる娯楽の中で、“あっ!”“あるある!”って思う時の共感のインパクトが、純文学って段違いなんですよ。藤沢周さんの『オレンジ・アンド・タール』なんてあまりに共感し過ぎて、“あれ? これ俺が書いたんだっけ?”って思ったくらいで(笑)」  

 本人も、うすうす感づいていることがある。純文学は、「ダメな人の話」が多い。
「最近、川上未映子さんのブームがまた来ていて読み直してるんですけど、『すべて真夜中の恋人たち』を読んでたら恥ずかしくなって爆笑しちゃって。しゃべるのが苦手っていう超地味な女の子が、気になる男の人に何をしゃべっていいか分からないっていう場面で、“胸ポケットのボールペンって、転んだときに、危なくないんですか?”って言うんですよね。“その質問ねーだろ!”と思って(笑)」  

 純文学は、「案外笑える」。それもまた、真理なのだ。そして、もうひとつ。
「本を読む前と後で、人とか世界がちょっと変わった立ち上がりで見えてくる。それって、世の中のことを書いてるからだと思うんですよ。みんなの目には見えてるんだけど、言葉にはなってないものを拾い上げて書いているのが、小説であり純文学だと思うんですよね」  

取材・文=吉田大助
(ダ・ヴィンチ6月号 「男と、本。」より)