資産があっても家が借りられない!? 高齢者による賃貸トラブルの実態

社会

2020/1/17

『老後に住める家がない!』(太田垣章子/ポプラ社)

 最近では資産があるのに賃貸住宅を借りられない高齢者が急増中。一方で、持ち家でも一生安泰とはいかない現実もあり、誰もが突然ホームレスになる可能性があるという…。2,300件以上の賃貸トラブルに立ち会った司法書士が衝撃の事実を明かした『老後に住める家がない!』(ポプラ社)が2020年1月10日(金)に発売され、ネット上で話題を呼んでいる。

 本書を手がけた太田垣章子氏は、家賃滞納をきっかけに普通の人が転落する実態を描いた『家賃滞納という貧困』の著者。第2弾となる今回の書籍では高齢者が陥る賃貸トラブルの実例を挙げながら、多くの人が直面する“家”の問題に迫っていく。

 著者が伝えるのは「今すぐ、住活を始めなさい!」というメッセージ。「住活」とは、自分のライフプランに合った“終の棲家”を得ること。安心して一生を終えるには、60代以降の自分の収入を確認して、最期まで払っていける家賃に合う住居を決めなければならない。そのためには様々な断捨離や人間関係の構築も必要になってくる。言い換えると「住活」とは、自分の人生に責任をもつことだ。

 高齢化に備えた生き方を説く内容に、実際に本を読んだ人からは「他人事ではないので、読んでいてとても身につまされる思いでした」「読んだ後、急いで父母と不動産資産の確認をした」といった感想が上がっていた。

 また家を借りる側の視点だけでなく、家主や管理会社の苦悩についてしっかり取り上げているのも大きな特徴。切実な問題提起に対して、ネット上では「これから高齢社会になり結婚しないままの人も多いから、社会問題になりそう」「人口が減少してるのは事実なので、今のままでは不動産屋も危ないでしょう」など様々な意見が続出している。

 NPO法人「ほっとプラス」代表理事の藤田孝典氏は、Twitter上で本書に対する書評をツイート。「多数の家賃滞納者、その大家の相談を受けてきた司法書士が家賃滞納の背景を事例から丁寧に報告する。とんでもないモンスターが家賃滞納するのではない。裏にある個別の事情に向き合う必要性を説く。おススメの書」と称賛していた。

 明日は我が身かもしれない“老後の賃貸”問題と向き合うために、ぜひ本書を参考にしてみてほしい。