『幽』怪談文学賞短編部門 大賞が決定!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

昨日5月29日(火)に、都内で第7回「ダ・ヴィンチ文学賞」結果発表会と第6回「『幽』怪談文学賞」授賞式が行われた。

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残念ながら今回の「ダ・ヴィンチ文学賞」の大賞は該当者なしという結果だった。
選考会では、最終候補に残った、荻原裕幸さん『永遠よりも少し短い日常』、野間賽助さん『鉄塔94』、桐谷凶気さん『みんな病んでる』の3作品がせり合い白熱したもようだが、圧倒的支持を集める作品がなく、今回は大賞なしという結果になった。

「『幽』怪談文学賞」は短編部門では、「木綿のハンカチーフ」を調子はずれに歌う人頭の鶏とその鶏を姉と呼ぶ少年との奇妙なやり取りで幕を開ける小島水青(こじまみずお)さんの『鳥のうた、魚のうた』が大賞を受賞した。

長編部門では、佳作に内藤了さんの『奇譚百話綴り』と、沙木とも子さんの『壺中遊魚(こちゅうにあそぶさかな)』が受賞、大賞は該当作なしとなった。


「『幽』怪談文学賞」短編部門で大賞を受賞した小島さんは、「これまで二度、最終候補に残って三度目にして受賞することができ安堵しています」と喜びのコメントと、自身のペンネームの由来となったオオミズアオ(蛾の一種)が道路に落ちているのを受賞の知らせの前に助け「受賞はまるで虫の恩返し」と怪談作家ならではの不思議なエピソードを語った。

受賞作の「鳥のうた、魚のうた」は書き下ろしの短編集を加え単行本『鳥のうた、魚のうた』として6月1日(金)にメディアファクトリーから発売になる。

■『鳥のうた、魚のうた』 小島水青 メディアファクトリー 1365円(税込)