白石由竹には実在するモデルがいた!? 『ゴールデンカムイ』公式ツイッターの“舞台裏”&アイヌ文化豆知識ツイートが話題

マンガ

公開日:2020/2/11

『ゴールデンカムイ』20巻(野田サトル/集英社)

 現在『週刊ヤングジャンプ』で連載中の『ゴールデンカムイ』公式ツイッターでは、作品の舞台裏エピソードやアイヌ文化の豆知識を公開中。ファンの間で「めっちゃ勉強になる!」「細かいところまで調べられていて凄い」と話題になっている。

 同作の舞台となるのは、明治時代後期の北海道。日露戦争を生き抜いた元兵士・杉元佐一と、アイヌ民族の少女・アシリパが埋蔵金を巡る大冒険を繰り広げる物語だ。作者の野田サトルは時代背景やアイヌ民族について取材・研究した上で執筆しており、民族衣装や狩猟の道具なども当時使われていたものを忠実に描写。公式ツイッターでは、「今週のゴールデンカムイ舞台裏」と称して参考文献などがたびたび紹介されている。

 例えばアシリパは狩りで毒矢を使うことがあるのだが、アイヌが昭和7年まで毒矢を使っていたという情報は萱野茂の著書『アイヌの民具』の記述を参考にしたもの。書籍以外に毒矢本体や、「タシロ」と呼ばれる山刀、動物を捕獲する罠の写真なども掲載された。

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 野田は自身のイラストについて、「作者が100年前にタイムスリップしてアイヌの生活を見てきて描いている漫画ではなく、何十年も調査研究してきた学者さんたちの資料や博物館にあるものを元に描いています」とコメント。資料だけでなく、現地に足を運ぶ取材も行っている。

 杉元やアシリパは埋蔵金探しの過程で脱獄王と呼ばれる囚人・白石由竹と知り合うのだが、彼は北海道に実在した囚人がモデル。さらに稲妻強盗、蝮のお銀、熊岸長庵といったキャラクターにもモデルが存在するようだ。舞台裏ツイートには読者から、「全然知らなかった知識がたくさんで興味深い」「歴史を知ると漫画がさらに面白くなる」「本物の脱獄王伝説がヤバすぎて白石を見る目が変わった」と好評の声が続出している。

 2019年には、同作のアイヌ語監修を担当している中川裕が『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』を出版。さまざまなアイヌ文化が漫画の名場面と共に紹介されているので、気になる人はチェックしてみては?

◆『ゴールデンカムイ』公式ツイッター:https://twitter.com/kamuy_official

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『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(著:中川裕、イラスト:野田サトル/集英社)