映画『ホタルノヒカリ』、公開前から人気の理由

ひうらさとる

2012/6/7

 6月9日より全国公開される映画『ホタルノヒカリ』がどこまで興収を伸ばすかに注目している。
 
 07年から連ドラがスタート。仕事が終われば家に直行。自宅でぐうたら過ごす“干物女”雨宮蛍(綾瀬はるか)が、同世代の女性にウケた。今年1月に『日系エンタ!』が1000人に調査した「今年見たい映画」でも、10代女子1位、20代3位、30代4位と、圧倒的な女性人気を得た。

 映画版は、新婚旅行でローマに行く設定だ。イタリアでの撮影期間は1カ月という。コロッセオやスペイン広場などローマの風景を映すシーンは出てくるものの、スケール感はない(笑)。蛍は、自宅の縁側で缶ビール片手にジャージ姿で寛ぐように、ホテルの部屋でもゆるっゆる。異国の地でもいつもの生活スタイルを貫いているのだ。

 10年ほど前、日本の女性の間でもブームになったのは、アメリカのドラマ『SEX AND THE CITY』だった。ニューヨークで暮らすセレブな独身女性4人が、仕事や恋、友情を謳歌する華やかな世界─。まさに、対極!

 蛍は、外で仕事はきっちりこなしそれなりに楽しんでいる。家に帰れば、「あるがままの自分でいい」とゆるい生き方を認めてくれるパートナーがいる。自分らしく生きる女性を肯定しているのは2作とも同じ。だが、女性が認められたいと思う部分は、この10年で様変わりしたようだ。

 蛍の肩ひじ張らない生き方は、恋愛に必死じゃないのに素敵な結婚をする─という理想像をも体現しているのかも。

文=平山ゆりの/日経エンタテインメント!
(ダ・ヴィンチ7月号「出版ニュースクリップ」より)