本のソムリエ・書店員オススメ“徹夜で一気読みしたい本”

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

 毎日膨大な量の本に接し、本の知識なら誰にも負けない“本のソムリエ”としてとっても頼りになる書店員さん。そこで今回は書店員歴21年目、星野書店 近鉄パッセ店で文芸、文庫、ラノベなどを担当している柘植和紀さんに、“徹夜で一気読みしたい5冊”をセレクトしてもらった。

■『三匹のおっさん』 有川 浩 文春文庫
ここまでおっさんに対する愛溢れる小説があったでしょうか? 年甲斐もないなんて言葉はもう必要ないのです。武闘派二人に、少々マッドな頭脳派一人のご町内限定大活劇。読後の爽快感、保証します。

■『暁天の星 鬼籍通覧』 椹野道流 講談社文庫
死と密接に関わる学問、法医学。それを学び始めたイマドキの若者・伊月と先輩法医学医・ミチル。彼らを軸に進む話は少しだけオカルト風味ですが、人と関わることの大切さを感じさせてくれます。

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■『天地明察』(上・下) 冲方 丁 角川文庫
一生を捧げるべき目的を見付けることも、成し遂げることもとても難しいでしょう。でも、春海を見ているとそれは本当に素晴らしいと思えます。自分に嘘をつかないまっすぐな生き方。魅せられます。

■『アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子』 深町秋生 幻冬舎文庫
デキる女刑事は刑事小説にはよく出ますが、且つここまで過激でダーティーな女刑事はなかったよな、としみじみ。彼女の目的に推理を巡らせているうちにページの残りは少なくなっているはず。

■『魔法科高校の劣等生 入学編』(1~2巻) 佐島 勤 電撃文庫
練り込まれた世界観と強烈キャラたちのコンボに中毒確実です。広大な世界観がどこまで広がっていくのか期待で一杯になると共に、この兄大好きの妹はどこまでいってしまうのかも大変気になります。

(ダ・ヴィンチ7月号「本屋さんの時間 本のソムリエ」より)