買い置きした肉や魚が傷むのは何が原因? 管理栄養士が教える「食品をおいしく長持ちさせるテクニック」

食・料理

2020/5/16

『食材保存大全』(沼津りえ/主婦の友社)

 新型コロナウイルスの影響で外出を自粛する日々が続き、冷蔵庫に買い置きした食材が溜まりがちなこの時期。食材をおいしく長持ちさせるためのテクニックを記した『食材保存大全』が発売された。

 せっかく買い置きした食材はできるだけ長持ちさせて、最後までおいしくムダなく食べきりたいもの。しかし数日経ってから食べようとすると、「なんだかおいしくない」「なんだかにおう」と感じてしまうことも……。そんなときはもう一度、正しい食材の保存方法をチェックしてみてほしい。

 同書は多くの家庭にある常備食材について、正しい保存方法をまとめた1冊だ。取り上げている食材は肉や魚から穀物まで多岐にわたっており、その数は何と166種類。管理栄養士の沼津りえ氏が冷蔵、冷凍、常温などのアプローチを試し、最もおいしく味わえた保存方法を紹介している。以下では同書の内容から一部をご紹介していこう。

まず知っておきたい。食材が傷んでしまう7つの要因

①水分:食材に含まれる水分が蒸発してしまいみずみずしさが失われる場合と、水分が多くなることで微生物が発生する場合がある。

②酸化:食材に含まれる酵素と、空気中の酸素が反応して起こる反応。野菜の切り口などが茶色くなるのがその例。

③日焼け:日光の当たる場所に食材を置くと、温度が上がって変質する。

④保存する温度がまちがっている:食材には食材ごとに適した保存温度があり、温度が低すぎても「低温障害」を起こす場合がある。

⑤腐敗:有益な微生物や酵母が働くと「発酵食品」となるものの、腐敗の場合にはさまざまな微生物が増殖して変質し、有毒な成分を作ることもある。

⑥熟成:野菜や果物は収穫後も成熟を続けるが、それを促すのは「エチレンガス」。りんごやアボカドなどはエチレンガスを多く放出し、その影響を受けやすい野菜もある。

⑦害虫:乾物や米など、長期間保存するものは小さな虫がつくことも。未開封のものでも包装を食い破って入ることがあるので、長期保存には注意が必要。

肉・魚をおいしく保存するカギは「ドリップ」

 ドリップとは肉や魚などを解凍したときに出る水分を指し、その汁にはうまみや栄養分が含まれている。水分を失った食材はやわらかくなったり、食感が変わることもあり、残った水分によって菌の繁殖が促されてしまう可能性も。つまりドリップこそが肉や魚のおいしさを左右するカギだと言える。


肉類を冷蔵室で保存するなら→「ドリップ」を取り除いて、チルド室での保存がベスト

 買ってきた肉類はできるだけ早く、チルド室やパーシャル室といった冷蔵庫の「低温度室」に入れるとよい。肉から出たドリップをとり除いて、ラップなどでぴっちりと包んでから保存すると、より雑菌が繁殖しにくくなる。


肉類を冷凍庫で保存するなら→トレーから出してラップにくるみ、ファスナーつき保存袋へ

 肉類をトレーのまま冷凍すると凍るのに時間がかかり、解凍時にドリップが出やすくなってしまう。冷凍する際には必ずトレーから出し、ラップで包んでファスナーつき保存袋に入れて冷凍すること。またアルミトレーの上などに置いてから冷凍すると、急速に冷凍できるので覚えておきたい。なお、冷凍した肉を解凍する際には低温でゆっくりと自然解凍するのがポイント。急速に解凍すると、ドリップとともにうまみが流れ出てしまうことがある。


 これから夏に向けて、食材の取り扱いにはさらなる注意が必要になってくる。日本の気候や住環境に合わせた食品保存の“新常識”を学んで、安全な食生活を目指してみてはいかがだろう。

この記事で紹介した書籍ほか