同じ野菜でも皮をむく場合とむかない場合があるのはなぜ? 今さら聞けない“料理のコツ”

食・料理

公開日:2020/5/27

『レシピ以前に知っておきたい 今さら聞けない料理のこつ』(有元葉子/大和書房)

 最近ではネット上でさまざまなレシピが紹介されており、本屋に行けば数多くのレシピ本が並んでいる。料理の作り方を調べるのは簡単だが、そもそも料理を手際よく作るためのテクニックはどこで学べばいいのだろうか。そんな悩みに応えてくれるのが、世代を超えて支持されている料理研究家・有元葉子による書籍『レシピ以前に知っておきたい 今さら聞けない料理のこつ』だ。

 同書は2017年に出版されたベストセラー『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(有元葉子/SBクリエイティブ)よりもハードルを下げ、誰もが抱いたことがあるレシピ以前の素朴な疑問を紐といていく一冊。たとえばQ&Aの一例を紹介すると、「同じ野菜でも、皮をむく場合とむかない場合があるのはなぜですか?」という疑問に対して、有元は「料理次第です。歯ごたえ、香ばしさ、野趣めいたうまみが欲しいときは皮つきです」と答えてみせる。

 他にも「油揚げの油抜きは、必ずしたほうがよいですか?」、「鶏むね肉を手軽においしく食べるには、どうすればいいですか?」、「レシピに“みりん”とある場合、“砂糖+酒”で代用できますか?」など、85個にわたる質問への回答を収録。あらかじめ決まった「正解」を与えるのではなく、その道のプロによる考え方が紹介されているので、自分の頭で理解を深めていくためのヒントを掴めるはず。

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 またスーパーなどでおいしそうな旬の素材を見かけたとき、「これでサッとおかずを作れたらな」と思うことはよくあるもの。しかしその日手に入れた材料をもとに、レシピなしで料理を完成させるのは簡単なことではない。そこで同書を読めば、料理を作っていく際の流れや勘どころを理解できるだろう。

 書籍内には買い物時のポイントや食材をおいしく長持ちさせる方法など、普段から料理をする人にとって有用な情報が盛りだくさん。食事の支度を億劫に感じてしまう人や料理の応用ができずワンパターンになりがちな人、腕に自信はあるけれどあらためて料理のコツを知りたい人まで、幅広い用途で役に立つ内容となっている。

 基本的な知識を身につければ料理が楽しくなるだけでなく、料理の腕前も確実に上達していく。いつも使っているレシピ本の“副読本”として、手元に置いてみてはいかが?

■レシピの一例「大根とこんにゃくと鶏手羽の炒め煮」

1.大根を皮つきのまま、大きめの乱切りにする。葉はきざんでサッとゆでておく。しょうがは皮をむき、せん切りにして水に浸けておく。こんにゃくは食べやすくちぎり、下ゆでをして水気を拭く。

2.鍋(なるべく浅めの鍋)を温めて多めの油をひき、しょうがの皮と鶏手羽先を入れて焼きつける。鶏が色づいたら大根を入れ、しっかりと焼き色がつくまで焼く。

3.こんにゃくを加えて炒め、多めの日本酒としょうゆを入れ、材料がひたひたになる程度に水を加える。ふたをして強めの中火にかけ、沸いたら火を少し弱め、大根がやわらかくなるまで煮る。器に盛って大根の葉を散らし、水気をきったしょうがをのせる。