綾瀬はるか“走りキャラ”が定着!?

芸能

2012/6/13

 『ダ・ヴィンチ』7月号で表紙を飾る綾瀬はるかが手にしているのは、『おーい!竜馬』。もともと歴史ものが大好きという。
「メイクさんが薦めてくれたのかな。結構、前に読んでたんです。それでドラマ『JIN-仁-』の現場で“『おーい!竜馬』っていうすっごい面白いマンガがあって“という話をしていたら、武田鉄矢さんに“それ、俺が原作書いたんだよ“って言われて、えーっ、ウソって(笑)。私、武田さんに向かって“『おーい!竜馬』読みました?“とか言ったと思うんですよ」

 とにかく読み始めたら一気読みだったらしい。
「全然止められなくて。竜馬が暗殺されたことは知っていますから、読みながらなんでこの人が死ななきゃならないんだって、くやしい気持ちになりました。幕末って、昨日まで正しかったものが今日は正しくなくなっていたり、さらに明日はどうなるかわからないような、本当に激動の時代だったと思うんです。そういう中で何を信じていくか、どういうふうに生きていきたいかを決めるのって、すごく大変だったろうなって。『JIN-仁-』のドラマの舞台も幕末だったので、読んでいて助けられることがいっぱいありました」

 今の綾瀬はるかは無敵だ。『JIN-仁-』で演じた咲のような、一途で芯の強さを感じさせるシリアスな役もやれば、『ホタルノヒカリ』の蛍みたいなハジけたコメディエンヌもできる。仕事はきっちり頑張るけれど、家ではジャージでグータラ三昧。「恋愛するより家で寝ていたい」が口癖の干物女こと雨宮蛍は、ドラマ版もパート2まで制作された、とりわけ愛着のある役。
 現在公開中の『映画版ホタルノヒカリ』では1カ月にわたってイタリアロケを敢行。愛する部長(藤木直人)と新婚旅行にやってきた蛍は、消息を絶った部長を追いかけて走る、走る、走る。
「マフィアが出てきたりして、台本読んだ時はぶっ飛んだ話だなあって。ウエディングドレスで走ったり転んだりっていうのも結構楽しみながらやりました。水たまりでバシャーンって転んじゃうのも、汚しちゃっていいの? イエーイ!みたいな(笑)」

 思えば映画デビュー作『JUSTICE』で演じたのもハードル走をする少女だった。『おっぱいバレー』でも『プリンセス トヨトミ』でも走っていたし、最近ではCMでも走っている。
「そういえば、そうですね。走りキャラだと思われてるかも」

 何を隠そう、中学校では陸上部に所属していた。
「部活やってたのを知らない方に言うと、ええって驚かれちゃう。学年で一番足が速かったんです。3年生までバスケ部にいたんですけど、引退してから、陸上部の顧問の先生に“駅伝のメンバーに入ってほしい”って引き抜かれて。軽く“わかりました”って引き受けたけど、私が得意だったのは短距離とかハードル走で、駅伝とは全然違う。それでも大会も2回出たんですよ。もう本当に大変で。陸上って自分との闘いじゃないですか。足が生まれたばかりの小鹿みたいにふるふる震えてるのに、後ろから来るのがわかるから、抜かれちゃダメだって必死で走る。たすきを渡したら倒れ込んで1時間くらい動けなかった。だから、私、自分では基本は体育会系だと思ってるんです」

 歴代の監督たちは、綾瀬はるかのそんな天分を見抜いていたのかもしれない。どの出演作でも結構身体を張っている。
「脚本を読んだ時より動いてみてわかることが自分でも多いなって思います。今回の映画でも“部長に会いたい!”って蛍が駆け出していくシーンで、ああ、蛍はこんなに部長のことが好きだったんだって、走りながらやっとわかった。部長のこと、100%の相手だって言えちゃう感じもすごく素敵だなって。言葉って、掘り下げていくと難しくなることっていっぱいあるけど、蛍の前向きさで言われると、届きますよね」

 綾瀬はるかが全力で走る時、観客もちょっと何かを信じたくなる。言葉を超えて、なんだか胸が熱くなる。
「蛍って、どんな状況でも素直に幸せを感じられる、強い人だなってすごく思う。ぜひ映画館に来て幸せな気持ちになってください」

文=瀧 晴巳
(『ダ・ヴィンチ』7月号「スタジオ・インタビュー」より)