「2012年上半期女性向けマンガ」TOP10を発表!

マンガ

更新日:2012/6/15

 『ダ・ヴィンチ』7月号でジャンル別に発表された、2012年上半期BOOK OF THE YEAR(※)。女性向けマンガ部門はフレッシュなタイトルが揃い、このジャンルの勢いを感じさせる。 

 第1位は、『昭和元禄落語心中』。昨年の1巻発売以来、着実に人気を広げてきた。八雲や与太郎の落語シーンが圧巻。情緒と哀愁が絡み合った人間模様を描き、まさに大人女子のための物語だ。「今一番スリリングなマンガ」「落語シーンだけでなく、登場人物の洒脱なセリフ回しもクセになる。今後さらに面白くなりそうで展開が未知数」と定評を得ている。ランキングは以下の通り。

■1位 『昭和元禄落語心中』(1~2巻)雲田はるこ

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■2位 『俺物語!!』(1巻)アルコ/マンガ 河原和音/原作

■3位 『アオハライド』(1~4巻)咲坂伊緒

■4位 『オオカミ少女と黒王子』(1~3巻)八田鮎子

■5位 『百姓貴族』(1~2巻)荒川弘

■6位 『VIVO!』(1~2巻)瀬川藤子

■7位 『3月のライオン』(1~7巻)羽海野チカ 

■8位 『ライアー×ライアー』(1~3巻)金田一蓮十郎

■9位 『たいようのいえ』(1~5巻)タアモ

■10位 『夢の雫、黄金の鳥籠』(1~2巻)篠原千絵

■次点 『姉の結婚』(1~3巻)西炯子

2位には『俺物語!!』、3位には『アオハライド』が続いた。『俺物語!!』は、大ヒットマンガ家2人のコラボも奇跡なら、物語も奇跡的。少女マンガではあり得ないイカツイ男子を主人公に据え、異色の爆笑ラブコメを生み出した。一方『アオハライド』は、少女マンガの王道中の王道をいく。主人公・双葉の恋と友情は眩しく輝き、少女マンガの新しいスタンダードがここに誕生しているのだ。異色と王道、まったく違うベクトルながら、確実に今後の少女マンガの潮流を作る2作品だ。

 人気急上昇中の話題作は、6位の『VIVO!』。学園物の新境地を切り開く大人女子向け作品だ。自分至上主義の教師・ナカムラと生徒との自然な交流を描いた本作は、何とも言えない余韻の残る読後感が魅力的。『昭和元禄落語心中』と併せて大人女子マンガの裾野の広さを実感させる。少女マンガと大人女子マンガ。それぞれの進化が著しく、下半期以降の展開がますます楽しみだ。

※全国の書店員にアンケートを実施。2011年10月1日~2012年4月6日に発売された書籍の中から、売れ行きもよく、内容的にも自信を持ってオススメできるという基準で、各ジャンルごとにベスト5をあげてもらった。のべ800店を超える書店から寄せられた回答をもとに集計。上位作品の中から各ジャンル別の委員会のメンバーが自らのベスト5を選出し、順位別に傾斜をつけて投票、書店員からの得票に合計してランキングを作成した。

文=松井美緒
(『ダ・ヴィンチ』7月号「2012 BOOK OF THE YEAR 女性向けマンガランキング」より)