瀬戸康史、オススメのミステリー3冊

芸能

更新日:2012/6/18

 笑顔が爽やかな童顔系イケメンから幅広い役柄をこなす大人の俳優へ。今まさに成長中の瀬戸康史が現在発売中の『ダ・ヴィンチ7月号』の特集で選んだオススメ本は、直木賞作家による家族ミステリー3作。

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瀬戸康史が選んだオススメ3冊」
■『流星ワゴン』重松清
■『赤い指』東野圭吾
■『龍神の雨』道尾秀介

 「アガサ・クリスティー原作の舞台に出演して以来、ミステリー小説をよく読むようになりました。『オリエント急行殺人事件』の結末にはもうびっくりしましたよ!!
 大どんでん返しや思わぬ最後がある小説に惹かれます。『赤い指』は謎めいたタイトルに惹きつけられて、最後にその意味がわかったときには鳥肌が立ちました。いつか僕が親になって子どもを持ったときに、こういう決断をしてしまったら……と想像すると悲しくなったし、人間の怖さをまざまざと感じましたね。

 『流星ワゴン』は死者の父子が運転する不思議なワゴンに乗った中年男が過去へ旅するお話。未来は変えられない、でもそれを変えようと必死に抗う主人公の姿が印象的でした。僕、30代になったらこの主人公の役を絶対やってみたくて。難しいだろうけど役者として燃える、演じ甲斐がある役だと思います。

 『龍神の雨』は妹を持つ兄として感情移入しながら読みました。僕が主人公だったら、やっぱり同じことをしてしまうでしょうね。物語の中でずっと降り続けていた雨は最後には止むんだけれども、後味は苦い。今回選んだ本はどれもハッピーエンドじゃないんですよね。僕の場合、きれいに完結する話よりもその後を考えさせられる作品に惹かれるんです。自分の“考える幅”を広げることで自分の中に新しい引き出しをどんどん作って、役者としての成長に繋げていきたいですね」

取材・文=阿部花恵
(『ダ・ヴィンチ』7月号「2012 BOOK OF THE YEAR 上半期ブレイク芸能人のオススメ3冊」より)