おいしいパンでつながる人の“縁”──小説『縁結びカツサンド』が「おいしい一冊」と話題に!

文芸・カルチャー

公開日:2020/7/19

『縁結びカツサンド』(冬森灯/ポプラ社)

 “パン”をめぐって繰り広げられるハートウォーミングな小説『縁結びカツサンド』(ポプラ社)が、2020年7月8日(水)に発売された。ネット上では「読んでいくうちに笑顔になります。陽だまりのようにあたたかい物語」「読み終わった後の満腹感を誰かと共有したくなる!」「元気にさせてくれる言葉がたくさん散りばめられています」と心を打たれる読者が続出している。

 本作は「第1回おいしい文学賞」の最終候補に選ばれた新人作家・冬森灯(ふゆもり・とも)のデビュー作。「第1回おいしい文学賞」は「おいしいもの」と聞いて連想するテーマ、またはモチーフが含まれた短編小説を対象とする賞で、選考委員は『食堂かたつむり』などで知られる作家・小川糸が務めていた。

 物語の舞台は駒込うらら商店街に佇む、昔ながらのパン屋さん「ベーカリー・コテン」。一家で経営してきたコテンの未来を背負うのは、悩める3代目・和久。商店街が寂れる中でコテンを継ぐべきなのか、「自分なりのパン」を見つけないといけないのではないか。日々迷いながらパン生地をこねる和久のもとには、愉快なお客たちがやってくる。ヒョウ柄のコートを着込む占い師に、就活に落ち続ける学生、“肉バカ”な肉屋の息子。人の悩みに寄り添うパンを焼こうと奮闘する和久が、やがて見つけた答えとは――。

advertisement

 人と人の“縁”を丁寧に描いている一方、作中には食欲をそそるパンが次々と登場。読者からは「明日にでも街のパン屋さんに訪れたくなる、おいしい一冊」「パン描写があまりにおいしそうなのでよだれが出てしまった」「ドーナツにカレーパンにコロネにカツサンド! パン好きにとってどうにもたまらないおいしい物語たち」といった声も多く上がっていた。

 本書の帯には、『四十九日のレシピ』などの代表作をもつ作家・伊吹有喜が推薦コメントを寄稿。「毎日食べるパンがおいしかったら、毎日幸せ。心に希望のあかりが灯る、素敵な一冊です」と、作品の魅力を語っている。

 人情にあふれる物語を読みたくなったときは、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。