江戸が舞台の「ゴーストバスターズ」!? 痛快時代小説『臆病同心もののけ退治』に「暑い季節にはやっぱり妖怪」「あっという間に読み終えた」の声!

文芸・カルチャー

公開日:2020/8/15

臆病同心もののけ退治
『臆病同心もののけ退治』(田中啓文/ポプラ社)

 “最弱の同心”ともののけとの戦いを描いた痛快時代小説『臆病同心もののけ退治』が、2020年8月6日(木)に発売された。ネット上で「ワクワクしながらあっという間に読み終えました!」「妖怪の出てくる田中啓文の小説はやっぱり面白い!」「暑い季節にはやっぱり妖怪ですね」と大きな話題を呼んでいるようだ。

 物語の主人公は北町奉行所に勤める同心・逆勢華彦。彼は剣の腕こそ達者だったが、生来の臆病がわざわいして捕り物でしくじってしまう。そして与力・同心の吹き溜まりと称される尾田仏馬の組、通称「オダブツ組」へと組替えされることに。しかしオダブツ組には江戸の町に現れる魑魅魍魎を見つけ出し、退治するという意外な仕事があった。伊賀のくノ一に落語家、力士、人の心が読める子ども……一筋縄ではいかないオダブツ組の仲間たちと共に、華彦は江戸の怪異に立ち向かっていく。

 もののけ退治というスタンダードな設定でありながら、作中で繰り広げられるのは独創的でユニークな怪異譚。同作の魅力に引き込まれた読者からは、「まさに江戸版のゴーストバスターズかメン・イン・ブラック。ギャグ探しするのも楽しいおすすめの一冊です」「二編と幕間みたいな短い怪談が一編。その怪談がめちゃめちゃ怖い!」「一癖も二癖もある仲間たちが愉快な小説。お話はまだ始まったばかりなので、続きが楽しみ」といった感想が上がっている。

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 作者の田中啓文は、『水霊 ミズチ』や『蹴りたい田中』などの作品で知られる人気作家。ホラーやミステリー、SFなどジャンルの枠組みを超えて活躍しており、最近では時代小説のシリーズも数多く刊行中。「鍋奉行犯科帳」シリーズでは大食漢で美食家の奉行を主役としたコミカルな物語を描き、「食に関する蘊蓄が面白く、それが事件解決にすんなりと絡むのもお見事」「娯楽読み物として素晴らしい。続巻を読みたくてたまらなくなる」と高く評価されていた。

 普段は時代小説を読まないという人にもうってつけの一冊。ぜひこの機会に手に取ってみてほしい。