和菓子ブーム到来!? 作中登場のお菓子がSNSで流行/ドラマ『私たちはどうかしている』第3話

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公開日:2020/9/1

私たちはどうかしている
『私たちはどうかしている』(安藤なつみ/講談社)

 8月26日に放送された女優の浜辺美波さんと俳優の横浜流星さんがダブル主演をつとめる連続ドラマ『私たちはどうかしている』の第3話。作中に登場した和菓子「落とし文」が大きな反響を呼んでいます。

 同ドラマは、安藤なつみさんによる同名タイトルの漫画が原作。和菓子職人・花岡七桜(浜辺)と、創業400年の老舗和菓子屋「光月庵」の跡取り息子・高月椿(横浜)が、15年前に起きた“光月庵当主殺害事件”を巡り、過酷な運命に翻弄されながらも惹かれ合うというラブ・ミステリーです。

(以下はドラマのネタバレを含みます)

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 15年前、夫を殺害した女の娘が七桜だと感づき始めた女将の今日子(観月ありさ)は、これまで以上に七桜に対してキツく当たるように。あるとき、七桜が部屋から出てきたところ、待ち構えていたように頭上から壺が落下! 咄嗟にかばった椿は、商売道具である大事な右手にケガを負ってしまいます。そんな折、金沢屈指の茶道の流派「草薫会」から椿に御菓子の依頼が入ってきました。この会は、大旦那(佐野史郎)も招かれている大事な茶会。ケガを理由に依頼を断ろうとした椿ですが、七桜協力の元、見事な「落とし文」を完成させ、茶会を成功に導くのでした。

 巻かれた葉の上に、ぽつんと一つ玉が乗った「落とし文」というお菓子。その由来は、公然と言えないことや秘めたる恋心を、伝えたい人の近くに落として拾わせた置手紙からきています。また、オトシブミという昆虫が卵をあらゆる外敵から守るために、自ら葉っぱをくるくると巻いてその中に卵を産みつけるさまが、それとよく似ているとして“親の愛”という意味も持つようになったとか。茶会が開かれたのは、6月の第3日曜日。つまり“父の日”に合わせた選定だったわけですね。

 放送後、同ドラマのメインビジュアルにて美麗な和菓子を披露している職人・三堀純一さんが、自身のツイッターにて投稿した「全国の皆さんで一斉に『落とし文』とかアップしたら盛り上がると思うんだけど、、、ご一緒に盛り上げて行きませんか? 俺がどうかしてんのかなぁ?」という呼びかけをきっかけに、全国の和菓子職人のみなさんが続々と自慢の「落とし文」を披露するムーブメントが起こりました。葉脈がハッキリとしていたり、卵の代わりに金箔を乗せていたりと、各職人さんのセンスとこだわりが詰まった逸品を拝見することができます。


 これに対し、和菓子ファンはもちろんドラマ視聴者からも「いろんな落とし文があって面白いですね! 美しいです。食べたくなりました」「季節外れというのにありがたい。お店によって少しずつ違いがあるのね」「何処の和菓子屋さんをポチろうか実に悩む」「どれも本当に素敵だなぁ」などと感動の声が続出。これには言い出しっぺの三堀さんも思わず「落とし文WAVEに(ハートマーク)鼻血萌え(ハートマーク)」と大興奮し、漫画原作者の安藤さんも「実際の和菓子屋さんの色んな落とし文をちょこちょこ見て嬉しい…季節は過ぎてしまっているのに…落とし文ってシンプルなのにほんとに美しい」と喜びのコメントを寄せています。


 ますます目が離せなくなってきた「わたどう」。作中で丁寧に描かれている、美麗な和菓子にも注目してみてはいかがでしょうか。