全123タイトルの中から選ばれたのは「悪魔のレシピ」! 「料理レシピ本大賞 in Japan」の受賞作が発表

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公開日:2020/9/8

 今年で7回目の開催となる「料理レシピ本大賞 in Japan」は、料理レシピ本の価値や魅力を広く浸透させるべく設けられたもの。今回は123タイトルがエントリー。大接戦の末に選ばれた受賞作の発表と授賞式が、2020年9月8日にオンライン上で行われました。

 おうち時間が長く、自炊することも多かった今年は一体、どんなレシピ本が注目を集めたのか。早速、結果を見ていきましょう!

納得の受賞! 大賞は『リュウジ式 悪魔のレシピ』に決定!

ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ
『ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ』(リュウジ/ライツ社)

 数々のレシピ本を抑え、栄えある大賞に輝いたのはSNSでも大活躍している料理研究家・リュウジさんの『ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ』(ライツ社)。本書は、1年以上もの制作期間を費やした集大成といえるレシピ本。Twitterで1万人以上が「いいね!」をつけた“伝説レシピ”も収録されています。手軽にやみつきになるほどウマい料理が作れて、レシピの半分は「低糖質」という男女ともにうれしい配慮がなされている点が、大賞に輝いた理由なのかもしれません。食への情熱を配信し続けるリュウジさんから、今後も目が離せませんね!

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【準大賞】「卵焼き器」があればOK! 面倒なお弁当作りに革命をもたらした「藤井弁当」

藤井弁当 お弁当はワンパターンでいい!
『藤井弁当 お弁当はワンパターンでいい!』(藤井恵/学研プラス)

 準大賞を受賞したのは、『藤井弁当 お弁当はワンパターンでいい!』(藤井恵/学研プラス)。お弁当作りには「卵焼き器」があれば十分、おかずは3品でOKだと訴える「藤井弁当」は、世の主婦を毎朝の憂鬱から救いました。この極意は料理研究家・管理栄養士である藤井さんが、我が子のために15年間お弁当を作り続けた結果見出したもの。栄養バランスにこだわった100品以上ものレシピや、卵焼きのアレンジ法が知れる本書には一石二鳥以上の価値があります。冷凍食品にマンネリを感じ、作り置きに嫌気が差している方はぜひ手に取ってみてください。

【入賞】さっと煮立たせて注ぐだけ! 朝10分でできる「スープ弁当」

朝10分でできる スープ弁当
『朝10分でできる スープ弁当』(有賀薫/マガジンハウス)

 7年以上、毎日スープを作り続けているスープ作家の有賀薫さんが手掛けた『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)は手軽さやコスパの良さが支持され、入賞に輝きました。有賀さんのスープ弁当は、「スープジャー」を調理道具として活用しているのが特徴。さっと煮立たせてジャーに注ぐだけなので、料理が苦手な方やズボラさんも続けやすいはず。だしを使わないので、食材の旨みを存分に堪能できます。本書にはお腹と心の両方を満たしてくれるレシピが60品も掲載。ぜひ、お好みのスープを見つけ、職場でのほっこりタイムを楽しんでみてください。

【エッセイ賞】第2の人生は食で豊かに! 76歳の料理研究家が教える『頑張らない台所』

頑張らない台所 60歳からはラクしておいしい
『頑張らない台所 60歳からはラクしておいしい』(村上祥子/大和書房)

 76歳(書籍発売時)の料理研究家・村上祥子さんのエッセイ『頑張らない台所 60歳からはラクしておいしい』(大和書房)は、シニア層に元気を与える1冊。「電子レンジ発酵パン」や「バナナ酢ダイエット」などのヒットを生み出してきた村上さん。現役を貫き続ける自身の経験から、「台所にたつのがおっくうになってきた」と感じている人に、“食で人生を豊かにするコツ”を伝授。人生のセカンドステージを迎え、食べる量や作る量が減ってきた時は言葉にできない寂しさを感じ始めるもの。その気持ちを受け止め、パワーに変換してくれる温かさが本書にはあります。

【お菓子部門大賞】材料は2つでオーブン不使用! 料理初心者でも成功する「魔法の手抜きおやつ」

材料2つから作れる! 魔法のてぬきおやつ
『材料2つから作れる! 魔法のてぬきおやつ』(てぬキッチン/ワニブックス)

「お菓子作りは難しくて手間がかかる」という常識を変えてくれたのは、YouTubeチャンネル登録者数55万人超(2020年9月現在)のてぬき料理研究家・てぬキッチンさんの『材料2つから作れる! 魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)。本書のすごさは最大でも5つの材料で作れ、全レシピ、オーブン不要という点。中には、たった2つの材料で作れるスイーツも! 「混ぜてチンするだけ」「ポリ袋おやつ」など誰でも失敗せずに作れるお手軽レシピは、おうちカフェを楽しみたい時にも最適。再生回数100万回超のものも含めた、全73品のレシピ集は面倒なことが嫌いな甘党さんの創作意欲を掻き立てます。

 その他の各部門の受賞作品は、こちら。

【料理部門】
入賞『syunkonカフェごはん レンジでもっと! 絶品レシピ』(山本ゆり/宝島社)
入賞『力尽きレシピ』(犬飼つな/光文社)
【ジャンル賞】
こどもの本賞『おにぎり』(平山英三、平山和子/福音館書店)
コミック賞『私でもスパイスカレー作れました!』(こいしゆうか、印度カリー子/サンクチュアリ出版)
【お菓子部門】
準大賞『志麻さんの気軽に作れる極上おやつ』(志麻/マガジンハウス)

 昨年同様、今年も手軽にしっかりおいしいものが作れるレシピ本が人気だったよう。また、SNSやYouTubeで活躍している料理研究家がランクインしている点に現代らしさを感じると共に、「料理をもっと手軽に楽しみたい」と思う人が増えていることを実感させられました。「料理は面倒」という常識を変えるレシピ本が今後も続々と誕生していけば、家事が「負担」ではなく、「楽しみなこと」に変わる未来もやってきそうです。

 ぜひこれを機に、「料理レシピ本大賞 in Japan」の受賞作を手に取り、「作ること」への概念を変えてみてください。

文=古川諭香