小児性愛者の教師と“普通”になれない高校生…【マンガ】で読む衝撃の青春小説『ニキ』

文芸・カルチャー

公開日:2020/9/11

ニキ
『ニキ』(夏木志朋/ポプラ社)

 高校生と教師の悪戦苦闘をスリリングに描いた衝撃の青春小説『ニキ』が、2020年9月9日(水)に発売された。Twitter上では、同作の魅力について語り尽くすレビューマンガが投稿されている。

 同作は「2019年ポプラ社小説新人賞」を受賞した小説家・夏木志朋のデビュー作。主人公・田井中広一は黙っていても口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう高校生。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。二木は穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間だと確信した広一は、二木に近づき、とんでもない取引をもちかける――。

 二木の抱える秘密とは、大人の女性に性的関心を抱けない「小児性愛者」であること。社会と折り合いをつけにくい一面を隠す教師に対して、決して“普通”になれない高校生は激しい執着心を抱く。そして歪な関係に陥った2人は、お互いに容赦のない態度でぶつかり合うのだった。

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 人間社会の深い部分に切り込むような難しいテーマでありながら、作品の作りはあくまでエンターテインメント。予想もつかないクライマックスへと向けて盛り上がり、青春小説としてのすがすがしい余韻を感じさせてくれる。

 Twitter上に投稿されたレビューマンガは、漫画家・夏ノ瀬いの(@stylish_gorilla)によるもの。作品を通して浮かび上がってくる「普通ってなんだろう」という問い。そして自分の思春期と重なるような広一の姿など、作品の見どころが4ページにわたって綴られている。

ニキ

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ニキ

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 社会で生きにくさを感じたことがある人なら、きっと心に刺さる部分があるはず。“普通”になれない二人が一体どんな生き様を見せてくれるのか、物語の全貌をその目で確かめてみてほしい。