うわっ…誤用率、高すぎ?「確信犯」ほか仕事でも使う要注意ワード

ビジネス

公開日:2020/10/12

うわっ…誤用率、高すぎ…?「確信犯」ほか仕事でも使う要注意ワード

 日本語には様々な熟語や慣用表現がありますが、全ての意味を正確に覚えるのは至難の業。そこで本稿では“誤用”しがちな言葉を3つピックアップして紹介します。いざという時に恥をかかないように、正しい意味を確認していきましょう。

7割の人が誤用している「確信犯」の意味

「確信犯」は誤用しがちな日本語の代表とも言える言葉ですが、実際にその意味を理解している人はいまだに少ない様子。文化庁が公開している平成27年度「国語に関する世論調査」によると、「確信犯」の正しい意味を答えた人の割合は17%。誤用している人の割合はなんと69.4%にも達していました。

「確信犯」の誤用とされる意味は、「悪いことであると分かっていながらなされる行為・犯罪又はその行為を行う人」というネガティブなもの。それに対して本来の用法は、「政治的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪又はその行為を行う人」と真逆の意味合いになっています。

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 とはいえあまりに誤用が普及しているため、現在では言葉の意味が変わっていると考える人も多いようです。ネット上では「結局みんなが間違えた用法で使っていれば、それが正しい意味になっていく」「一般に流通している意味が誤りだと知っていても、便利だから誤用の方を使ってしまう」といった声がよく上がっています。

「さわり」の意味は“最初の部分”じゃない!

 よく「話のさわりだけ教えてほしい」などと言うことがありますが、実はこの言葉も間違って使われている日本語。「話や物語における最初の部分」という意味合いで使うのは誤用に当たります。本来「さわり」とは「話や物語における要点」という意味なので、作品の感想などを聞く際にはネタバレを誘っているような誤解を生む可能性もあるかもしれません。

 ちなみに語源としては、三味線音楽の「義太夫節」で他の音曲の旋律を取り入れた箇所のことを指していました。後に意味が転じて、曲における“最大の聞きどころ”を表すようになったといいます。

意外すぎる?「なし崩し」の正しい用法

 平成29年度「国語に関する世論調査」では、「なし崩し」の誤用について調査が実施されています。「借金をなし崩しにする」といった使い方をする際、正しい意味は「少しずつ返していくこと」。しかし過半数に当たる65.6%の人が「なかったことにすること」という意味で使っている実情が明らかになりました。

 本来は“少しずつ物事を進めていくこと”というニュアンスなので、ネガティブな意味合いはありません。SNSなどでは本来の意味とのギャップに衝撃を受ける人も多いようで、「なし崩しってうやむやにすることじゃなかったんだ…」「むしろ誤用の意味合いでしか使ったことがなかった」「全く違う意味になるから使いどころが難しい」といった声が上がっています。

 とくに金銭の貸し借りなどのセンシティブな話題では、誤解を招くような表現は避けた方が無難かもしれませんね。