本日発売!『ダ・ヴィンチ』11月号第2特集は「Travis Japanがくれる幸せ」

特集番外編2

更新日:2020/10/6

本日発売!『ダ・ヴィンチ』11月号第2特集は「Travis Japanがくれる幸せ」

編集M

 今号の第2特集はTravis Japan!

 メンバーには、好きな本を手に表紙も飾っていただきました。

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 さて、この特集番外編では、なぜTravis Japanの特集を組むことになったかの経緯を少しお話させえもらえたら幸いです。

 きっかけは昨年秋に遡ります。

 ある日上司から突然「『虎者』の取材にいかない?」と提案されました。『虎者』は「Travis Japan」の主演舞台。

……トラヴィス・ジャパン……!??

(特集でマンガを描いていただきましたすぎやまさんと同じ状態)

 私は弊誌で主に芸能を担当しておりますが、当時、以前弊誌で連載してくださっていた、A.B.C-Zの担当の編集者が別にいたこともあり、いわゆる「アイドルグループ」を全く知らない編集でした。

「了解です~」と取材日当日、会場でお会いできたのがメンバーの一人、川島如恵留さんでした。当時金髪の彼は、全身銀色の衣装に身を包み、すっと伸びた姿勢がきれいだったことを覚えています。また川島さんは弊誌をよく読んでくださっているらしく、取材が本当にうれしいです! と何度も何度もお話してくださいました。外見から漂うキラキラ感もさながら、瞳も輝いておられて、取材班も川島さんのお話にすっかりうれしくなっては、楽しい時間をもらえました。

 その後、そのインタビューは1ページに掲載されました。

 発売日の数日後のことです。

 出社すると、私のデスクに大量のハガキが届いておりました。それはファンの方からのハガキでした。ハガキには、その掲載ページの感想や、川島さんがどれだけ読書家なのか、Travis Japanがどれだけ素敵なグループなのかが、みっちりと可愛い字でつづられていました。文字を色分けされたり、シールを貼ってくれていたり。「特集でもなく1ページなのに」と、じんわり胸が熱くなりました。

 以後も途切れることなく毎日毎日、デスクにはハガキが届きました。その熱量に、私は圧倒されました。

 これは手元に置いておくだけではもったいないと思い、編集長に渡すようにしました。そして都度都度「これだけの熱いファンがいるグループですから、いつか特集をやってみたい」と申しました。

 そんな折、未知のウイルスに世の中は覆われ、私も外出自粛期間に入りました。

 日々弱気な言葉を飲み込んでは、懸命に明日をどう過ごすか、ままならない仕事に対しても鬱々としていた期間だったように思います。雑誌の編集業務はありましたが、取材にも撮影にも行けなくなっては、寂しくって、また時間をも持て余すようになりました。

 その頃、ある「アイドル」を知ることになりました。アイドルは、その寂しかったその時間の穴を埋めてくれるように、思えました。またファンダムの力も、そこで知りました。

 ふいに、あのハガキを思い出しました。

 思いたっては、出社時間をずらしてこそこそ会社にいくと、自粛期間に入ってからも届いては、読めていなかったハガキが数枚、デスクに置かれていました。未だに届くハガキに、自分の役割、業務を思い出させてくれたように思いました。久々に、幸せな気持ちをもらえました。

 その後、のめりこむかのようにTravis Japanの動画を拝見させてもらったり、インタビュー記事を読ませていただきました。まだデビューしていない彼らは、時にはふるい立たせるように、時に希望に溢れながら「世界進出」と言葉にし、いつも懸命で、笑顔をくれました。(扉のリードにも書きました)

 挫折もきっと味わったろうけれど、前向きなそんなメンバーの姿は、煌めいていて眩しくて、とても素敵でした。

 ふと「Travis Japanを知ると日常が煌めくんじゃないか」。さらにあれほどの熱量あるファンを持つ彼らを知ることは「幸せになれるのかもしれない」。そんな考えが浮かびました。

 浮かんだその仮説の数々をひもといてみたいと、特集のタイトルを「Travis Japanがくれる幸せ」と決めて、特集企画書を上司に提出しました。

 念願叶って取材日では川島さん以外の他の皆さんは「はじめまして」だったのですが、休憩時間や撮影合間中にメンバー同士おしゃべりとまらずといった感じで、どこかに行くときも常に固まって数人が一緒で、傍目に見ていた私はその仲の良さに驚きました。なんだかトイレにも一緒に行きそうな勢いでした(笑)。

 また、インタビューではずっと聞きたかった「アイドルについてどう捉えているか」という、答えるには難しかろう質問をアイドルの彼らに、ぶつけさせてもらいました。朗らかで笑いが絶えない座談会インタビューのなか、空気がピンと研ぎ澄まされたかのように、冷静で真剣なトーンでメンバーそれぞれが答えてくれた印象がありました。

 ぜひ、インタビューご覧いただけましたらうれしいです。

 また、今回特集にて事前にファンの皆様に向けて行ったアンケートは、なんと6000件も超える回答を頂戴しまして、貴重な時間を割いては愛あふれる言葉をくださり、本当にありがとうございました。弊誌では度々、こういったアンケ企画を募集させてもらっておりましたが、エクセルのデータがこれほど大きいメガ数をたたき出したのは私が知る限り初めてで、うれしい悲鳴でございました。ライターさん(今回本当にお世話になりました……感涙)と編集で数日間にわけて大切に読ませていただきました!

 さて、誰かのファンになることは、とても幸せなことだと思います。その対象者のことを考えていると、どれだけしんどいことがあっても一瞬はふんわり癒されるし、好きな誰かを知れたことは、それはなんだか奇跡みたいなめぐり合わせだとも思います。

 なかでもアイドルは、ファンが夢を一緒に見られる存在でもあります。

 Travis Japanを知るきっかけを、今回の特集で作れていたら光栄に思います。

 そして最後に別件ですが、編集担当にてすみません!!! 中村倫也さんのエッセイ連載「やんごとなき雑談」が今月号で最終回&来春書籍化決定!!!!

 あああああ。もう、中村さん、約2年間、厳しくって面倒くさい編集者に付き合っていただき、ほんっとーーーーに、ありがとうございました。最後の原稿をもらってから「きちんと…………お礼を言わねば……」と思っていたのにも関わらず、責了間際に寂しさが襲ってきて、いつも通りに「了解です!」で終わってしまってしまいまして……(なんてめんどくせえ編集者)。

 この場を借りて、改めてお礼を伝えさせてください。これから、ともに素敵なエッセイ集を作れたらうれしいです。 (いつもお世話になっております、マネージャー様も何卒宜しくお願い致します!)

 さらに今月10月7日(明日です)、昨年弊誌で連載しておりました塩田武士さん『デルタの羊』が刊行されます。10月30日には映画『罪の声』が公開、2021年には大泉洋さん主演で『騙し絵の牙』が公開、といま“新作が一番待たれる作家”2年ぶりの新刊です! 

 舞台はアニメ業界! いつも塩田さんの作品には「コスパが悪い」と冗談交じりに言っているのですが、今回も何十名の方に取材をさせていただき、さらにコロナについての追記などで改稿を何度も重ねては発表をここまで引っ張らせていただきました。自分が担当ながらこの作品は大傑作と声をあげたい!

 ぜひ手にとってみてください!

※各ネット書店で在庫切れの場合があるので、お買い求めの際は書店にてお問合せください。
(なお、Kindle版にはTravis Japan特集ページは掲載されておりません)