正社員も日払い感覚で利用? 急増する「給与前払いサービス」

ビジネス

公開日:2020/10/19

正社員も日払い感覚で利用? 急増する「給与前払いサービス」

 日本で急速に広がっているビジネス「給与前払いサービス」。給与方法の新たな選択手段が加わったことで、働き方改革につながるのではないかとにわかに注目を浴びています。

給与前払いサービスの隆盛が意味するのは?

 給与前払いサービスとは、予め設定されている給与支払い日より前でも「働いた分だけの給与」を受け取ることができるサービス。あくまで働いた分の賃金なので「給与の前借り」とは異なり、手数料の負担が発生します。企業がサービス事業者と提携していれば利用可能で、正社員だけでなくパート・アルバイトの利用も多いそう。

 企業側にとってもサービスの導入は、人材確保において有効な手段になっているようです。2019年6月には、ウェブサイト「日刊ゲンダイDIGITAL」が給与前払いサービスを特集。サービス事業者「PaymentTechnology」広報室の話として、「求人募集で給与前払いの広告を出すと、以前の10倍の応募があった企業もあるようです」と紹介されていました。

advertisement

 給与前払いサービスについて、ネット上では「正社員でも日払いと同じように給与が受け取れるのはいいと思う」「給料日が土日に被ると後ろ倒しになる会社なので使ってみたい」「貯蓄がまだ少ない若手の従業員には有効なサービスじゃないかな。給料日前にお金が底をつくっていうことがなくなるし」といった反応が寄せられています。

 一方でサービス事業者・導入会社の増加に、危機感を抱いている人も多い様子。「前払いサービスがそれだけ人気ということは、低賃金労働者が増えてるってこと?」「手数料を取られると思うと使うのに抵抗感がある」「お金が増えるわけではないので、家計見直しをしない限り切迫した状況は変わらない。問題を先延ばしにしているだけ」という意見が並んでいました。

給与前払いサービスは「貸金業」に当たらず

 給与前払いサービスについて、かつて議論を呼んだのが「貸金業に当たるのではないか」という問題。貸金業法では借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために「総量規制」が設けられていて、サービスが貸金業に当たるなら規制を受けることになります。

 金融庁ではサービス事業者からの問い合わせを受け、2018年12月に「貸金業法上の『貸付け』行為に該当せず、貸金業に該当しないものと考えられる」と発表。サービスの「前提」として、「従業員の勤怠実績に応じた賃金相当額を上限とした給与支払日までの極めて短期間の給与の前払いの立替え」であるといった理由から判断されたようです。

 ただし「導入企業の支払い能力を補完するための資金の立替えとなっている、又は手数料については導入企業の信用力によらず一定ではない」など、前提と相違する場合は「貸金業に該当する可能性が高い」との見解も示しました。

 サービスがさらに発展を遂げれば、給与支払いの形に大きな変革をもたらすかもしれませんね。